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アフリカ難民の生計活動と社会福祉に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 20K12378
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分80010:地域研究関連
研究機関総合地球環境学研究所

研究代表者

村尾 るみこ  総合地球環境学研究所, 研究部, 研究員 (10467425)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
キーワード難民 / アフリカ / 社会福祉 / 社会統合 / 生計活動 / 難民・元難民 / ザンビア / 相互扶助 / 元難民・難民 / アフリカ難民 / 難民経済
研究開始時の研究の概要

近年の難民保護をめぐる議論では、難民の権利や難民の国家サービスへの包摂、自立と生計へのアクセスが重点的課題とされ、開発を通じた基本的なニーズの達成が期待されている。本研究では、先進的な施策が進められてきたザンビアの難民らを取り上げ、彼らが困難な状況のなか再編する生計活動をフィールドワークで得られる情報資料をもとに明らかにする。これを通じて、終了条項が適用されたアフリカ難民の多元的な社会福祉の今日的特徴を総合的に考察し、難民研究に新たな知見を提示することを試みる。

研究実績の概要

2023年度は、2022年度までの文献調査およびオンラインでの情報収集の結果に関する分析をおこなった。また、その分析結果をふまえ現地調査をおこなったところ、難民定住地とそれに隣接する再定住地では、コロナ禍によって経済活動が低迷していた状況から回復していることが確認された。また、難民定住地・再定住地での生計活動や居住域を超えた対面での相互扶助の変化については、個人に所有が認められた区画ではなく、配偶者など親族の区画へ移動して食事や農業活動を共働するこれまでと同様の例や、自らが所有する区画とは異なる、亡くなった親族の区画で生活するなど以前は見られなかった例が継続されていた。また、再定住地では、移住前、難民定住地で難民支援事業として享受した水管理、公衆衛生、ジェンダー・福祉、自警などの自治に関する運営や技術を活かし、元難民らが定期・不定期での協同を実践していた。また、そのような自治運営に関わる代表格を含む若者らに対して、開発を通じた教育の機会が与えらえており、内生的に再編された元難民のインフォーマルな福祉活動が、外発的要因により発展の兆しをみせていた。現地調査を通じて、こうした発展が難民経験とその後の法的地位の移行や住民移転を経験した元難民ら個々人の生計活動の日常的困難の克服と関連し、未だ難民定住地に残る元難民らとの集団的社会統合を進展させていることが明らかとなりつつある。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2023年度は、2022年度までのコロナ禍における研究進捗をもとに現地調査を実施し、人の移動やそれに伴う土地管理、経済活動に関する情報を確認するとともに、難民支援事業が停止して久しい再定住地での社会福祉に関するインフォーマルな諸活動に関する聞き取りをすすめた。コロナ禍では地域一帯の経済活動が低迷し、その影響をうけて元難民らの生計活動に影響がでていたが、徐々に回復していた。難民の地位解消後、法的移行と住民移転によってこれまでの生活から大きく環境が変化した経験だけでなく、コロナ禍での生活の困難を克服する過程で、元難民ら個々人が難民であった際に受けた自治組織の運営や活動を再開し生計活動の基盤を安定化・継続させていることが明らかとなりつつある。現在、この成果を公開するため、国内外の学会などでの報告や出版の準備をすすめており、研究計画はおおむね順調に進展している。

今後の研究の推進方策

現在、2023年度までに明らかとした元難民の生計活動の変化と、再開された自治組織の運営や活動との関係性について分析を深めている。2024年度は、関連文献の収集・分析と、現地調査をおこなうことによって、この成果を公開する十分な情報資料を補足する。さらに、熱帯生態学会やアフリカ研究の国際会議など、国内外の学会などでの報告をすることによって、関連の深い研究者と議論を深め、執筆をすすめている論文の公開を目指す。

報告書

(4件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 2020 実施状況報告書
  • 研究成果

    (15件)

すべて 2024 2023 2022 2021 2020

すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 5件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 1件) 図書 (4件)

  • [雑誌論文] 紛争による人の移動がもたらす農業イノベーション─アンゴラとザンビアの国境地帯の事例2024

    • 著者名/発表者名
      村尾るみこ
    • 雑誌名

      アフリカ研究

      巻: 103 ページ: 27-40

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書 2022 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] アンゴラ東部農村における難民の帰還と伝統的首長の復権――土地の分配に注目して――2023

    • 著者名/発表者名
      村尾るみこ
    • 雑誌名

      アフリカレポート

      巻: 61 号: 0 ページ: 58-70

    • DOI

      10.24765/africareport.61.0_58

    • ISSN
      0911-5552, 2188-3238
    • 年月日
      2023-11-21
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] アンゴラ東部農村における難民の帰還と伝統的首長の復権ー土地の分配に注目して2023

    • 著者名/発表者名
      村尾るみこ
    • 雑誌名

      アフリカレポート

      巻: 62

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Introduction: Rethinking Localities of Rural Development in Angola2022

    • 著者名/発表者名
      Rumiko Murao
    • 雑誌名

      African Study Monographs

      巻: 42 号: 0 ページ: 161-163

    • DOI

      10.34548/asm.42.161

    • ISSN
      0285-1601, 2435-807X
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] The Endogenous Reintegration of Post-Conflict Angola Society2022

    • 著者名/発表者名
      Rumiko Murao
    • 雑誌名

      African Study Monographs

      巻: 42 号: 0 ページ: 205-221

    • DOI

      10.34548/asm.42.205

    • ISSN
      0285-1601, 2435-807X
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 書評『開発と文化における民衆参加―タンザニアの内発的発展の条件』2021

    • 著者名/発表者名
      村尾るみこ
    • 雑誌名

      アフリカ研究

      巻: 99

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書 2020 実施状況報告書
  • [学会発表] 紛争後のアンゴラ東部農村における帰還民の再統合2022

    • 著者名/発表者名
      村尾るみこ
    • 学会等名
      「アフリカにおける難民保護と帰還をめぐる諸問題」第2回セミナー、Online開催、日本アフリカ学会関東支部会共催
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] “The resilience of former refugees in southern Africa”2022

    • 著者名/発表者名
      村尾るみこ
    • 学会等名
      IASFM19, Universidade Catolica De Santos Online開催
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] ディスカッサント2022

    • 著者名/発表者名
      村尾るみこ
    • 学会等名
      14th Colloquium of Natural History of Landscape Formation、2022年3月17日、京都大学稲盛記念財団(ハイブリット開催)
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] 「アンゴラ東部農村における帰還」2021

    • 著者名/発表者名
      村尾るみこ
    • 学会等名
      フォーラム「「アフリカにおける難民保護と「帰還」:「帰還」をめぐる「神話」と実態を再考する」、第57回日本アフリカ学会、東京外国語大学(オンライン開催)
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] 合評会コメンテーター・村橋勲著『南スーダンの独立・内戦・難民:希望と絶望のあいだ』2021年7月16日)2021

    • 著者名/発表者名
      村尾るみこ
    • 学会等名
      FENIXサロン・第59回ASCセミナー・日本アフリカ学会関東支部2021年度第4回例会・日本文化人類学会若手懇談会、東京外国語大学(オンライン)
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [図書] 「ザンビア農村部における元難民のレジリエンス」湖中 真哉、グレタ・センプリチェ、ピーター・D・リトル 編著『レジリエンスは動詞であるーアフリカ遊牧社会からの関係/脈絡論アプローチ』2024

    • 著者名/発表者名
      村尾るみこ
    • 総ページ数
      472
    • 出版者
      京都大学出版会
    • ISBN
      9784814005376
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [図書] ”The resilience of former refugee in rural Zambia” In Konaka, M., G., Semplici & Peter D. Little (eds.) Relational and Contextual Approach to Resilience2023

    • 著者名/発表者名
      Rumiko Murao
    • 総ページ数
      398
    • 出版者
      Transpacific press/ Kyoto University Press
    • ISBN
      9781920850104
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [図書] The resilience of former refugee in rural Zambia. In Konaka, M. & G., Semplici and P.D. Little(eds.)Relational and Contextual Approach to Resilience,2023

    • 著者名/発表者名
      Rumiko Murao
    • 総ページ数
      503
    • 出版者
      京都大学出版会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [図書] ザンビアを知るための55章2020

    • 著者名/発表者名
      村尾るみこ
    • 総ページ数
      376
    • 出版者
      明石書店
    • ISBN
      9784750350622
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書

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公開日: 2020-04-28   更新日: 2024-12-25  

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