研究課題/領域番号 |
20K12379
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80010:地域研究関連
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研究機関 | 岐阜聖徳学園大学 |
研究代表者 |
冨田 福代 岐阜聖徳学園大学, 外国語学部, 教授 (40369591)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | イギリスの教師教育 / EdD / Teaching School Hub / 専門職博士課程 / 教師教育 / Teaching School / イギリスの教員養成 / 博士課程 / 実務家教員 / イギリス教育 / 教員養成 / イギリス教育制度 / Teaching School制度 |
研究開始時の研究の概要 |
イングランドでは、小学校や中学校の学校自体が教員養成の主体となり学校現場で教員養成を行うTeaching School制度の導入によって、それまで主に教員養成を行ってきた各地域の大学は本質的な役割転換が求められた。その結果、大学は教員養成そのものを行う一方で、Teaching Schoolで教員養成を担う学校教員を育成する「EdDプログラム」に教育の重点を移してきたと考えられる。 本研究は、その仮説のもとイングランドの「Teaching School」「Teaching Schools Council」「EdDプログラム」を調査し、それぞれの実態と相互の関係性を解明することを研究内容とした。
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研究実績の概要 |
本研究はイギリスで制度化され拡大している学校教育制度を基盤とした新たな教員養成制度「Teaching School」の実態調査と、それを学校現場で担う教員養成 の指導者が各地域でどのように養成されているのかを明らかにすることを目的としている。主たる研究内容は「Teaching School」(2021年Teaching School Hubに変更)及び「EdDプログラム」を調査し、それぞれの実態と相互の関係性を解明することにある。 研究1年目はCOVID-19の世界的蔓延からイギリスおよび日本にも現地調査の厳しい渡航規制が設けられ、現地調査は実施できなかった。その面での研究の遅れは あったものの、文献調査やインターネット活用による資料収集を行い、Teaching Schools Councilの報告書や行政文書、各ホームページでの情報収集など、国内でできる資料収集を中心に実施した。 研究2年目もCOVID-19の状況に大きな変化はなく海外調査の計画は変更することになり、文献調査やインターネット活用による資料収集で研究を進めた。その一方で、学会やシンポジウムはオンラインでの実施が多く、これまでなかなか参加できなかった海外開催の大会に参加することができ、国際的な動向を学ぶ機会が得られた。そしてこれら文献および資料収集の結果をもとに「岐阜聖徳学園大学紀要 外国語学部編第61集論文」(2022年3月、査読付)に「イギリスTeaching Schoolの機能と教員養成における役割に関する研究」(pp. 15-28)をテーマに論文としてまとめることができた。 研究3年目は、これまでの研究成果の中間発表として日本教師教育学会で口頭発表(2022年9月)を行った。また、COVID-19の状況も落ち着き勤務大学の海外出張の許可も出たため、これまで実施できなかったイギリス現地調査を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究はイギリスの教員養成を対象として文献調査おび現地調査を主たる研究方法としているため、これまでCOVID-19による海外調査の制限を主たる理由として、研究方法及び研究計画の変更を余儀なくされ進捗が遅れてきた。その間は文献調査及びインターネットなど国内での研究活動を中心に進めてきた。 ・研究1年目はCOVID-19の世界的蔓延からイギリスおよび日本にも現地調査の厳しい渡航規制が設けられ、先の状況が見通せないまま現地調査の可能性を待つ状態であった。その間に文献調査やインターネットを活用した資料収集を行ってきたが、研究活動は十分とは言えず、次年度に送る内容も少なくなかった。 ・研究2年目もCOVID-19の社会環境に大きな変化はなく、前年度同様に所属大学の海外渡航自粛方針やイギリスおよび日本の出入国の制限からイギリスへの現地調査は実質上不可能な状況で推移した。この間、可能なオンライン国際学会や国際シンポジウムに参加し、またインターネットを中心とした資料収集を中心に研究活動を実施した。 ・研究2年目は、これまでの収集資料をもとに論文作成を行い、所属大学の「岐阜聖徳学園大学紀要 外国語学部編第61集論文」(査読付)に「イギリスTeaching Schoolの機能と教員養成における役割に関する研究」として掲載されている。 ・本年度研究3年目は、COVID-19の状況に変化が見られ渡航規制も緩和された。そのためこれまでの研究成果を日本教師教育学会第32回研究大会で口頭発表「イギリスTeaching Schoolと教員養成における学校の役割機能に関する研究」を行うとともに、イギリス現地調査も行った。この間に研究対象である2021年に「Teaching School」が「Teaching School Hub」に改革されており、その改変に基づき現地調査を行っている。
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今後の研究の推進方策 |
次年度である令和5年度は計画最終年度4年目に当たるが、今年度やっと実施できた初めての現地調査の結果をまとめて検証を行い、研究計画の詳細な見直しを行うことから始める。さらに必要な現地調査を実施し、最終年度として研究結果を整理して国際学会で研究発表を行い、また論文としてまとめて翌年度投稿の準備を行う計画である。主な課題と方策は以下の通りである。 ①まず初めに本研究にとって予想できなかった根本的な変更である「Teaching School」から「Teaching School Hub」への改革に関して資料を収集し整理する。これは単に名称の変更ではないため、その改革理由の分析と制度変更による変化を確認する。②今年度イギリス訪問調査の結果を整理し、研究目的に照して内容の分析を行う。③研究内容を整理し、令和5年秋の国際学会での発表予定で準備を進める。④「Teaching School Hub」への制度改革に伴い、研究スタート当初予定したブロック毎の現地調査の計画変更を行い、メールおよびインターネット調査を積極的に取り入れるとともに、追加で必要な現地調査を計画して令和6年2月予定で実施する。⑤大学におけるEdDプログラムの実態を調査を進め、Teaching School Hubとの関連を検証する。⑥論文作成に向けて準備を進める。⑦研究最終段階として、これまでの研究遅延を補い研究の幅を広げるために、研究協力者の依頼を予定している。⑧海外調査を主たる研究方法とするため、COVID-19の影響を大きく受けて当初予定の研究計画を大幅に変更して対応しているが、研究の質を担保し研究目的を達成するためには研究期間の延長の可能性もあると考えている。
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