研究課題/領域番号 |
20K12386
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80010:地域研究関連
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研究機関 | 大阪商業大学 |
研究代表者 |
湯川 創太郎 大阪商業大学, 経済学部, 講師 (30596945)
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研究分担者 |
南 聡一郎 国土交通省国土交通政策研究所, 主任研究官(任期付) (20781917)
東 秀忠 山梨学院大学, 経営学部, 教授 (50583267)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | マレーシア / 公共交通 / 路線バス / 国際交流 / オンライン配車システム / コロナウイルス問題 / GTFSRT / タイ / COVID-19 / 自粛と経済活動 / 東南アジア / 公共交通政策 / 地域交通政策 / ライドシェア / 新型コロナウイルス感染症 |
研究開始時の研究の概要 |
東南アジア諸国では、自動車・オートバイによるモータリゼーションが進んでいるが、近年、その影響が大都市のみならず地方都市や農村部に及んでいる。これにより、日本よりはるかに所得水準の低い地域で、バスやミニバスなどの既存の公共交通が衰退し、交通体系が偏ったものになっている。現地の政府もこの問題を看過せず、様々な施策を行っているが、施策の課題も多い。 本研究は、東南アジア4ヶ国(マレーシア、インドネシア、タイ、インドネシア)を対象に、制度調査およびアンケートの調査を行い、実態がはっきりわかっていない同地域のモータリゼーションと公共交通の関係を俯瞰的に明らかにすることを目的としている。
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研究実績の概要 |
2022年度末に行ったマレーシア現地調査の結果をふまえ、2023年度はより詳細な現地調査と資料収集を行った。 現地調査はマレー半島全域を対象とし、半島各地のバスターミナルを訪問し、実際のバス運行を状況を調査した。2022年度の調査では首都クアラルンプール周辺のバスの本数の大幅な削減を確認したが、2023年度の調査では地方部におけるバスの大幅な減少を確認した。但し、地方のバスの減少は地域により差異があり、バス運行への政府の積極的な助成が行われていない地域でその影響が大きくなっている。地方ではタクシースタンドを起点とするタクシーサービスの衰退も著しく、都市部を中心にオンライン配車システムが広く使われる状況となっている(但し、こちらも運転者不足がしばしば問題となっている)。これらの調査結果を2024年1月の日本マレーシア学会全国大会にて報告した。 資料収集においては、近年マレーシア政府が公開しているオープンデータの収集・活用、および政策に関係する資料として交通政策に関する国の議会議事録の収集・整理を行った。オープンデータに関しては、同国では2020年以降、都市部のバス事業者がリアルタイムの運行位置を公表するようになり、2023年度にはGTFS Realtimeデータの取得が可能になっている。また、地方のバス事業者についても登録されている過去のバスの情報などが公表されるようになった。勿論、実際のバス運行の信頼性については依然課題が多く、地方部のバス事業者についてはオープンデータから得られる情報が少ないのが現状で、現地調査の結果を突き合わせることで現状の把握に努めている。 また、マレーシアの調査に並行して、タイ東北部、ウドンタニラジャパッド大学と連携しての調査の準備も進めた。タイ東北部でも近年バス(トラック改造の乗り合い車両を含む)の減便が報じられており、その実態確認の方法を検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
マレーシアの地方公共交通の状況はほぼ確認でき、当初計画していた他国のうち、タイの研究協力者と連携しての調査準備は進めているものの、その他の国の調査については検討段階にとどまっている。 また、コロナウイルス問題を経て大きく変化した対象地の地域公共交通の状況の確認をすることは出来、交通政策の実効性をコロナウイルス問題への対応能力から確認するという事も出来たものの、当初の研究目的(コロナウイルス問題とは別に進んでいるモータリゼーションや公共交通利用者の減少の実態把握、現地の事業者、中央・地方政府の対応策などの確認)については共同研究の調査項目の設定、諸手続きの多くを1からやり直す必要に迫られるなど大幅に遅れて解明を進めている状況である。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、各国の研究協力者との面談を急ぐなどして研究者のネットワークを再構築して、現地の状況を把握していきたい。 また、限られた時間で研究者ネットワークの再構築、変化した状況を確認した上でアンケート調査やヒアリング調査を行う事については限界があり、前述したオープンデータの他、研究協力者の調査結果などを確認するなど、様々なデータを効率的に活用して調査を行っていきたい。 なお、海外調査については、円安などもあり渡航費が当初想定より高額になることが見込まれるので、対象を絞って効果的な調査を行う予定である。
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