研究課題/領域番号 |
20K12402
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80020:観光学関連
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研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
ラナウィーラゲ エランガー 東京都立大学, 都市環境科学研究科, 客員研究員 (90735789)
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研究分担者 |
菊地 俊夫 東京都立大学, 都市環境科学研究科, 客員教授 (50169827)
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研究期間 (年度) |
2021-02-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | ワイルドライフツーリズム / 野生動物 / 人間社会 / 共生システム / コアラ / ドックアタック / リハビリテーションセンター / GIS地図化 / 大都市域 / 獣害 / ドック・アタック |
研究開始時の研究の概要 |
自然地域は人間と野生動物の競合や軋轢が深刻化し、自然地域それ自体の衰退も顕在化している。このような自然地域に活力や自立性を与える手段としてツーリズムの導入や観光化が注目されて久しい。 自然地域に適応したツーリズムの手段の1つとして ワイルドライフツーリズムがある。本研究の主眼となる目的は、ワイルドライフツーリズムを用いて衰退傾向にある自然地域の再生のシステムを実証研究に基づいて明らかにすることである。ワイルドライフツーリズムの本質は「野生動物」に関する地域資源や空間の組み合わせであり、本研究はそれらの合理的な組み合わせを検討する。
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研究実績の概要 |
野生動物と人間社会との共生関係を明らかにするため、オーストラリアのブリスベン地域においてコアラと人間社会に関する調査を行った。具体的には、Department of Environment and ScienceのMoggill Koala Rehabilitation Centre において、コアラの疾病や事故の状況や、それらに伴うリハビリテーションの様相について聞き取り調査と資料の収集を行った。今回の調査では、コアラは人間の生活圏との近接が増えるにつれて、ストレスにともなう疾病や交通事故および飼い犬によるけがが多くなり、それらの障害からのリハビリテーションにより自然界に戻すケースが多くなっていることがわかった。その一方で、障害の回復が見込めないことや、自然界の恐怖心から自然界に戻ることのできないコアラも少なくないことがわかった。また、リハビリテーションセンターに保護されず死んでいくコアラも多いことが判明した。したがって、疾病や事故による死亡場所の、あるいはそれらの障害によって保護された場所のデータをリハビリテーションセンターから入手し、それらのGISデータの地図化を試みた。その結果、コアラの死亡原因のベスト3は交通事故、飼い犬の噛みつき、ストレスによる便秘であり、それらが原因となる死亡場所はユーカリの森ではなく、都市近郊の住宅地区であった。このような分布パターンの結果から、都市近郊の住宅地がつい最近までユーカリの森であり、コアラの棲息地であったことや、コアラが住宅地の開発で少なくなったユーカリの森林空間を求めて夜間に地上を移動していることなどが理解できる。実際、コアラの交通事故のほとんどが、夜間の移動中に発生し、その近くには小規模なユーカリの森が分散的に存在している。今年度の調査では、人間社会がコアラの棲息に影響を及ぼしている実態を明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
野生動物と人間社会との関係性に関する実態調査は国の内外で行われ、研究は概ね順調に進んでいる。コロナの影響も少なくなり、調査や研究成果の発表も順調に行われるようになってきている。
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今後の研究の推進方策 |
今年までの国内外の実態調査を踏まえて、野生動物と人間社会との共生システムに関する検討をワイルドツーリズムのフレームワークを用いて行い、その成果を国際学会などで報告し内外の研究者との議論を深めて、共生システムの精緻化を図る。
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