研究課題/領域番号 |
20K12403
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80020:観光学関連
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研究機関 | 福知山公立大学 |
研究代表者 |
神谷 達夫 福知山公立大学, 地域経営学部, 教授 (30388227)
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研究分担者 |
佐藤 充 福知山公立大学, 地域経営学部, 准教授 (50782281)
江上 直樹 大阪大谷大学, 教育学部, 講師 (30727342)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 観光者 / 行動分析 / WiFiパケットセンサー / 無線LAN / デジタル小電力コミュニティ無線 / NSS / WiFi / パケットセンサ / ビッグデータ / ディープラーニング / 機械学習 / 観光 / センサデータ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の特徴は、パケットセンサで取得された端末の移動情報をパターン化し、多数の移動対象を解析に用いる点にある。さらに、本研究は、パケットセンサから得られた情報に調査票調査を組み合わせることを特徴としている。調査票調査により得られた情報によってパケットセンサの情報を補完することにより、より精度の高い観光者の行動分析を可能にする。 初期段階においてはパケットセンサに海の京都DMOのセンサを用いて研究を進めるが、次段階においては、パケットセンサの自製により、安価なセンサーシステムの運用を目指す。
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研究実績の概要 |
2022年度も引き続きコロナ禍にあって観光系のイベントが縮小される傾向であったが、それに対応した観光者行動の分析方法を開発し、成果を出すことができた。 新しい方法は、昨年度開発された観光者にソーシャルディスタンスを確保しやすいような機能を持った「ソーシャルディスタンス手持ち行燈」に、「デジタル小電力コミュニティ無線」を使用した観光者行動を追跡する機能を付加したシステムである。「デジタルコ小電力コミュニティ無線」は、GPSなどの衛星測位システム(NSS)からの情報を携帯電話のような公衆回線を使用せず伝送することができる。この特性を活かし、ランタイムコストが少ない観光者の行動分析システムが構築された。 新しい方法を用いて、京都府福知山市において実施された「イル未来と2022」や京都府福知山市大江町で開催された「鬼力の由良川夏祭り」によって、新しい方式の実験が行われた。「イル未来と2022」での実験結果をまとめることにより、査読付きの論文が発表することができた。 また、「デジタル小電力コミュニティ無線」を用いた実験は、京都府船井郡伊根町でも実施され、電波の伝搬特性が調査された。 一方、2021年3月のアマチュア無線の利用用途拡大によって、非営利の地域における観光案内に利用できるようになったことから、アマチュア無線による観光案内や観光者の位置特定への応用などを検討し、京都府北部特に京都府与謝郡伊根町を中心に実験が行われた。アマチュア無線には、APRSという無線機の位置情報等をデータ伝送できる仕組みが標準化されており、これを観光者行動の分析や観光情報の発信等に用いることができるかを検討している。また、アマチュア無線とインターネット上の通信を組み合わせ、全国規模で使用できるアプリケーションを検討中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画では、WiFiパケットセンサーを用いた情報処理の高度化に重点を置いており、観光客が激減する状況は想定していなかった。しかし、コロナ禍の影響により、国内外からの観光客が減少し、当初予定していた同一条件での複数年に渡る比較検討が不可能になった。しかし、逆にコロナ禍に対応した方法を開発することにより、新たな研究の方法を切り開くことができた。 新たに開発できたコロナ禍に対応した方法の1つが「ソーシャルディスタンス手持ち行燈」を用いた方法である。この方法により、当初の計画より高精度に観光者の行動を分析することができるようになった。その上、「ソーシャルディスタンス手持ち行燈」に「デジタル小電力コミュニティ無線」を用いたNSS情報の伝送機能を付加することにより、より詳細な観光者行動の分析が可能となった。 これらの結果を論文3編で発表することができ、コロナ禍によって遅れた研究計画の進捗状況が改善された。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は、過年度と同様に「ソーシャルディスタンス手持ち行燈」を応用した観光者の行動分析に取り組むとともに、これらから得られたデータの分析方法について高度化を進めることを計画している。 また、「デジタル小電力コミュニティ無線」を用いた観光者行動の分析についても、汎用性を高めるべく研究を進める予定である。 さらに、令和5年3月22日公布・施行の総務省令により、アマチュア無線局が研究活動にも利用できるようになったため、この活用を検討する予定である。アマチュア無線には、位置情報を伝送するためのAPRSという標準やインターネットに接続する機能が整備されているため、これらを用いた位置情報やその他のデータ伝送等を取り入れた、これまでに無い新しい観光用情報システムを検討する予定である。
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