研究課題/領域番号 |
20K12407
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80020:観光学関連
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研究機関 | 獨協大学 |
研究代表者 |
須永 和博 獨協大学, 外国語学部, 教授 (70550002)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 創造都市 / コミュニティデザイン / 旧市街 / 都市コモンズ / タイ / タイ南部 / 文化遺産 / ツーリズム・ジェントリフィケーション / プーケット / ジェントリフィケーション / プラナカン / モビリティ / コミュニティ |
研究開始時の研究の概要 |
近年東南アジアでは、国内観光市場の成長を背景に、空洞化が進んでいた地方都市・旧市街の歴史的景観がノスタルジー消費の対象として再発見されるといった現象がみられる。こうした動きは、アートやデザイン、建築など「創造階級」に属する若年都市中間層の移住や観光産業への参入をもたらし、一部の地域では「創造都市」としての様相を示すようになってきている。本研究では、プーケット旧市街をはじめとするタイ国内の複数の地方都市・旧市街を事例に、創造都市化に伴うローカル・コミュニティの再編の過程について明らかにしたい。
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研究成果の概要 |
タイ国では近年、アートやデザインを媒介としたローカリティの刷新、いわゆる「創造的転回」とも呼びうる状況が生まれている。本研究では、タイ南部のソンクラー旧市街およびプーケット旧市街を主たる事例として、「創造的なまちづくり」のあり様について考察した。本研究で特に着目したのは、「創造的なまちづくり」における「都市コモンズ」創出という側面である。すなわち創造性が、クリエイティブ産業の促進という資本主義的原理よりも、地域住民が集い、土地の記憶や歴史を継承/発信するためのコモンズ創出のツールとして活用されている点を、具体的なまちづくりの現場から明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
創造都市や創造産業といった視点から都市の再編のあり様について論じた研究はすでに一定の研究蓄積があるものの、その多くは都市計画や文化政策など政策論の観点から論じられたもので、都市内部の諸アクター間の協働や交渉、抵抗などを含むダイナミズムに焦点を当てた研究は限られている。そこで本研究では、民族誌的手法を用いて、創造都市化に伴うローカル・アイデンティティの諸相について、諸アクター間の相互作用をミクロな視点から明らかにするとともに、資本主義的な原理とは異なる都市コモンズ創出という観点から、アートやデザインなどの創造的活動のポテンシャルについて明らかにした。
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