研究課題/領域番号 |
20K12446
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80020:観光学関連
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研究機関 | 九州産業大学 |
研究代表者 |
長谷川 由起子 九州産業大学, 地域共創学部, 教授 (40330790)
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研究分担者 |
丁 仁京 福岡大学, 公私立大学の部局等, 講師 (50759264)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 朝鮮半島 / 韓国 / 観光 / 北部九州 / 多言語対応 / 文化財解説文 / 観光施設 / 韓国語解説 / 有田町 / 有田焼 / 観光関連施設 / 隣接国 / 相互理解 / インバウンド / 韓国語 |
研究開始時の研究の概要 |
インバウンド観光促進の目的の一つは、外国人が日本の歴史や文化を見聞することで日本の理解者になってもらうことであるが、古来より東アジア各国との交流が盛んだった北部九州にはこの地域と関わる歴史・文化的観光資源が多く、近隣諸国言語による対応が重要である。本研究は東アジアとの歴史に関わる北部九州の観光関連施設の多言語対応状況について、韓国語を中心に把握し、課題を分析し、課題解決について考察・提案を行おうとするものである。
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研究実績の概要 |
コロナ禍での行動制限が少しずつ緩和されつつある中、研究代表者は前年度に引き、福岡県、佐賀県、長崎県、大分県といった北部九州の、朝鮮半島と歴史的関係のある史跡の韓国語対応を調査するとともに、特に韓国との関係で問題が指摘されがちな「明治日本の産業革命遺産」の構成資産とその関連史跡、東京の産業遺産センター、さらに鹿児島、山口にも範囲を拡大し、それらにおける韓国語対応状況とともに現地の観光関係者への聞取り等を重ねてきた。その考察過程を日本言語政策学会・特定課題研究会「観光地のホスト社会を配慮した言語政策研究」が開催した「観光学再考―言語学からのアプローチ―」研究会(2023年3月15日、於:宮崎大学、同大学多言語多文化教育研究センター共催)において「韓国(朝鮮半島)と向き合う/向き合わない九州―観光地の韓国語対応から―」のテーマのもと、研究会メンバーおよび関係の研究者と共に共有・議論した。その成果としての報告書は2023年度中に刊行する予定であるが、一部を韓国・朝鮮関係雑誌「レインボーコリア通信」に寄稿した。 研究分担者は前年度に続いて、福岡県、長崎県内の韓国関連史跡を詳細調査しているが、そのうち当年度は長崎県内の世界遺産(明治日本の産業革命遺産、潜伏キリシタン教会群)の多言語状況を中心に調査し、その結果を「長崎県長崎市の観光施設における多言語対応の現状-韓国語対応の課題を中心に-」『福岡大学人文論叢』54巻4号、(pp.1045-1071、2023年3月)として公開した。これまで「言語景観」という概念で主として案内板や店名、広告などが観察対象である先行研究が多かったが、日本の文化や歴史を外国語で解説し、理解を招くため、解説の内容に踏み込む研究として意義がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究期間の開始時期から始まったコロナ禍の影響で現地調査が大幅に遅れ、行動制限が緩和された今年度も外国、特に韓国からの観光客は年度末になってようやくコロナ前の水準に戻ったところであるため、観光現場での外国語対応(特に韓国語対応)が正常化または改善のステージに入ったとは言えない。そのため、調査対象の資料整理と訪日韓国人に対するアンケート・インタビューなどの調査を行えていない。
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今後の研究の推進方策 |
研究代表者は考察対象を比較対象との対応関係の中で位置づけるため対象地域を北部九州より拡大し、分担研究者は北部九州の観光地をさらに掘り下げながら長崎原爆資料館と周辺施設との比較対象として広島平記念公園および周辺施設の多言語状況を調査する予定である。これら収集した資料は今年度中に整理て私家版冊子及びホームページで公開する。また、訪日韓国人に対するアンケート・インタビューなどの調査を行い、結果は観光研究学会論集または九州産業大学地域共創学部紀要もしくは福岡大学紀要に発表する予定である。
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