研究課題/領域番号 |
20K12453
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80030:ジェンダー関連
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研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
金井 郁 埼玉大学, 人文社会科学研究科, 教授 (70511442)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 女性管理職 / ジェンダー / 役割 / 機能 / 短時間管理職 / 管理職 / 組織 / 生命保険産業 / 雇用管理区分 / 昇進 / 日本的雇用システム |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、日本の雇用システムのもとでの企業の組織構造において管理職に与えられる役割や機能を明らかにし、管理職の役割や機能のジェンダー非対称性と、それを維持するメカニズムを明らかにすることを目的とする。ジェンダー中立的に考えられてきた管理職の役割と機能を雇用システムや組織構造との関係においてジェンダー視点から問い直し、日本の女性管理職比率の低さの要因について新たな視点を提起するだけでなく、昇進研究やマネジメント研究を発展させるものである。
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研究実績の概要 |
これまでの本科研で遂行してきた女性管理職研究を初学者の学生や一般向けテキスト『キャリアに活かす雇用関係論』(駒川智子・金井郁編、世界思想社)の第8章「管理職―誰もが働きやすい職場のキーパーソン」にまとめた。①管理職は、統計上どのように把握されているのか、国際比較および国内の統計によっても異なっていること、②法律上の管理職の定義を整理し、③管理職の役割がコロナ禍で変化してきていることを指摘した。④現状の管理職調査で明らかになっている日本の管理職の特徴、年齢層が高く「遅い昇進」であること、長時間労働である一方、転勤や異動はある者も多いが、転勤や異動をしていない管理職も一定層いる。⑤こうした特徴が、管理職には男性が多く女性は少なく、男性は結婚したり子どものいる管理職がマジョリティである一方、女性の管理職は結婚していなかったり子どものいない者が多いことにつながっている。⑥先行研究では管理職も役割が不明確で仕事の成果が把握しにくいと言われているが、近年、管理職については担っている「役割」に応じて「職責グレード」のような担っている仕事のレベルを具体的に定義し、遂行されるべき職務を役割として特定化していく動きがみられる。一方で、⑦日本の管理職はプレイングマネージャーが多く、そのプレイヤー度も高い。⑧近年、管理職と部下の間の双方向型コミュニケーションを制度化する企業が増え、従業員一人一人が自律して課題設定や業務遂行できるよう促され、従業員側から好意的に受け取られているとする調査結果が多いが、日々多忙で労働時間の長い管理職をさらに多忙にする側面もある。⑨短時間管理職の事例から、管理職像の多様化が必要なことを指摘した。 そのほか、パチンコ産業でほとんど誕生していない女性店長5人のインタビューから、その実態と課題を国際学会で報告した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
4年間の科研期間であったが、コロナ禍の影響により、思うように調査ができなかった。 また、2023年度は健康上の事情で、研究が中断された。そのため、国際学会も対面参加で申し込んでいたが、直前にオンライン参加に変更した。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度と考えており、①女性の少ない産業(パチンコ産業)での女性管理職をめぐる調査、②女性の多い産業(生命保険産業)での管理職(女性)-部下(女性)、管理職(男性)-部下(女性)、管理職(男性)ー部下(男性)でマネジメントはいかに異なるのかを論文にまとめる。従来の研究蓄積も踏まえて、管理職の役割と機能とジェンダーの関係を考察し、まとめとする。
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