研究課題/領域番号 |
20K12458
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80030:ジェンダー関連
|
研究機関 | 滋賀大学 |
研究代表者 |
福浦 厚子 滋賀大学, 経済学系, 教授 (90283548)
|
研究分担者 |
福浦 一男 桐蔭横浜大学, スポーツ健康政策学部, 准教授 (80425016)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
|
キーワード | 憑依 / ジェンダー / 超自然的存在 / 霊媒 / 霊 / 憑霊のジェンダー / 憑依宗教 / シンガポール / チェンマイ / 北タイ / 宗教職能者 / 儀礼 / リミナリティ |
研究開始時の研究の概要 |
ヴィクター・ターナーはファン・ヘネップによる通過儀礼の研究をもとに、儀礼を構成する三つの過程に注目した。そのなかの中間段階はあいまいな境界状況で、そこに社会の抽象的な権力に関する認識が儀礼として出現すると捉え、ヒエラルヒーの逆転や反構造がもつ意味の重要性を指摘した。本研究ではこのターナーの枠組みをもとに、宗教職能者の憑依というリミナリティの状況のなかで表出されるジェンダーがその時々で変化することに注目し、それらの変化の位相の探索を通して、パフォーマティブな儀礼のなかに抽象的な権力がどのように表現されるのかを解明する。そのことによって憑依とジェンダー、憑依宗教と社会の関係を明らかにする。
|
研究実績の概要 |
研究計画において令和2、3年度に予定していた現地調査がCOVID-19の影響により中止となった。今年度は代表者である福浦厚子は感染状況が改善され計画初年度に予定していたシンガポールでの調査を実施した。儀礼における宗教職能者と超自然的存在の関係性について職能者や現地研究者と意見交換した。成果の一部は2023年度に国際学会で発表する。その議論を踏まえ論文として公刊する予定。研究分担者の福浦一男は北タイとバンコクで憑依宗教における研究調査を実施した。同氏はその成果を2022年4月NUS Pressより出版されたHolly High編の共著書 “Stone Masters”として公刊した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究課題を実施するにあたって、当初予定していた調査先であるシンガポール、マレーシア、タイのCOVID-19の感染状況は2022年度においても予測不能であった。また日本からの出入国に関していくつもの条件があったため、容易には往来ができなくなっていた。そのような事態が制約となり、現地調査は研究計画当初の予定とおりには進まなかった。また訪問先でも、直接的な対話がCOVID-19以前のような流儀で実施できたわけではない。現地の宗教的諸活動も感染予防に配慮し、少しずつ変更を強いられているのが現状であり、そういった事態の変更に対応しつつ本研究を安定的に実現するべく今後は取り戻せるように務めることとしたい。
|
今後の研究の推進方策 |
今後、本研究課題については遅れを回復できるように配慮しつつ、また現地調査先の状況の回復も視野に入れて実施するように取り組む予定である。今年度、研究代表者の福浦厚子はマレーシアを主として調査を実施するとともに、さらに本研究のテーマに関わってシンガポールの調査も予定している。また、2023年度中に実施する国際学会での成果をまとめて公刊できるよう取り組む。 研究分担者の福浦一男は本研究課題のテーマに関わってタイ・バンコクでの調査を予定している。本研究課題について専門家の意見を取り入れ、方法論や視点を更新しながら憑依宗教儀礼におけるジェンダーの逆転、ジェンダーの階層性等について明らかにするべく研究を推進する。
|