研究課題/領域番号 |
20K12461
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80030:ジェンダー関連
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研究機関 | 岩手県立大学 |
研究代表者 |
三宅 禎子 岩手県立大学, 公私立大学の部局等, 教授 (30305271)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | インターセクショナル・フェミニズム / プエルトリカン・ジェンダー / ブラック・フェミニズム / 米国フェミニズ ム / 多様性の概念 / 米国領土 / 法的植民地 / coloniality / プエルトリコ / 米国フェミニズム / Puerto Rican / feminism / United States / diversity |
研究開始時の研究の概要 |
米国領土プエルトリコは法的な植民地状況にある現代世界では数少ない地域の一つである。本研究の目的は、植民地状況にあるプエルトリコとメトロポリスとの境界線上で展開されるプエルトリカン・ジェンダーの動態の記述と分析を通して、米国フェミニズムにおける多様性の概念の形成と変容の過程とプエルトリカン・ジェンダーとの関係を明らかにすることにある。特にプエルトリカン・フェミニズムが関与してきた差別・植民地性の関係に注目し、その特殊性と米国で提起された多様な女性たちを包摂するインターセクショナル・フェミニズムとの関係を解明する
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研究実績の概要 |
本年度、プエルトリコ人とアメリカの関係について一般向け解説書『プエルトリコ人とアメリカ』(共著)を上梓した。本研究で得られた知見を、プエルトリコ人のジェンダーに関する章にまとめ、本研究の成果を公表した。 アメリカでは1980年代以降、人種、マイノリティ、貧困などの問題がジェンダーの問題と重層的に交差している状況の理解の上に立って女性の権利の獲得を進めようとするインターセクショナル・フェミニズムが広まっている。この立場は、ジェンダー、人種、階級、セクシュアリティなどのさまざまな社会的アイデンティティは個別に切り離せないことを前提にして、抑圧と特権行使の形態が相互に関連していることを認識し、複数の形態の差別と不平等に同時に対処することを主張する。プエルトリコ人女性たちはブラック女性たちよりもさらに複雑な社会的属性の重層性を背負っている。ニューヨーク市のヒスパニック住民が多く、また低所得層の多い選挙区から彗星のごとく現れたプエルトリコ人女性アレクサンドリア・オカシオ・コルテス下院議員は、「社会的属性の交差性」を踏まえた社会正義の実現の必要性を積極的に唱え注目を集めた。彼女は、男女平等、人種的正義、経済的正義、その他のさまざまな側面での社会正義の実現が直面する問題を指摘し、周辺化されたコミュニティにおいて公平性や包括性を獲得するための政策を掲げている。人種、宗教、セクシュアリティの違いを超えた連帯の重要性を常に意識し、女性、低所得労働者、移民の立場を代弁しようとする。インターセクショナル・フェミニズムの象徴的存在とする見方もある。 本研究者はプエルトリコ人女性に関する研究と共に、米国およびラテンアメリカのジェンダー平等論の歴史と現状を追ってきていたが、その中でようやくジェンダーという対抗軸の二元論を超えた視点からの議論や研究が展開されるようになったことを実感した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度、プエルトリコ人とアメリカの関係に関する、一般向け解説書『プエルトリコ人とアメリカ』(共著)を上梓した。 インターセクショナル・フェミニズム自体は、黒人女性の置かれた状況を分析するために生まれた。しかし、プエルトリコ人女性の状況からも、同様の主張がアメリカ国内においてプエルトリコ人女性たちから主張されていた。現在では、米国本土でアメリカ人として活躍するプエルトリコ人女性の進出、プエルトリコにおける女性政治家を中心とした新たな政党の進出など顕著な動きがあり、アメリカで展開されるマイノリティー女性勢力の全体の動向と合わせて、米国フェミニズムの様相を多様なものにしていることが明確になった。プエルトリコ女性の昨今の状況も、米国内に存在する女性の状況の多様性への理解への認識の進化とともに新たな段階として捉え直す必要があろう。
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今後の研究の推進方策 |
本研究者はプエルトリコ人女性に関する研究と共に、米国およびラテンアメリカのジェンダー平等論の歴史と現状を追ってきていたが、その中でようやくジェンダーという対抗軸の二元論を超えた視点からの議論や研究が展開されるようになったことを実感し、そのような視点からプエルトリコ人女性たちについての研究をさらに深めていく。 同様の視点からの研究は未だ限られているが、現在米国の大学院に学ぶプエルトリコ人女性研究者たちの中から、INT-FEMの観点からの研究が提出されつつある。本研究者はそれと協働しつつ、研究動向調査ならびに活動に携わる人々の動向を明らかにすることを目指す。
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