研究課題/領域番号 |
20K12476
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80030:ジェンダー関連
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研究機関 | 日本女子大学 (2021-2023) 大阪経済法科大学 (2020) |
研究代表者 |
池川 玲子 日本女子大学, 家政学部, 研究員 (50751012)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | ジェンダー / 警察官 / イメージ / バトントワリング / 交通戦争 / 母性 / 警察広報 / 戦災孤児 / 司法 / 警察 / 女性警察官 / 戦争孤児 / 大衆文化 / 国民統合 / 治安維持 / 表象 / 犯罪 / 男女共同参画 / 警察史 |
研究開始時の研究の概要 |
女性警察官の起源に関する歴史的事実を、国内外の文書資料を通じて明らかにしていく。占領期から現在に至るまでの警察関連法制度の流れを踏まえた上で、各都道府県の女性警察官の動態を、文書資料・各種データを通じて明確化する。また元女性警察官へのインタビューを通じて、個々人の現場における経験を収集する。合わせて大衆メディアにおける女性警察官のイメージの変遷を分析する。 以上の調査を踏まえ、日本の女性警察官に関する包括的な歴史を記述し、発信していく。
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研究成果の概要 |
本研究は、①日本における女性警察官の起源とは?②女性警察官はどのように発展してきたのか?③女性警察官はどのようなイメージをまとってきたのか?を問いの柱とした。 ①と②を通じ女性警察官の生成発展の様相を通史的に明らかにした。また時代ごとに異なる警察の女性活用政策は、当該時期の社会的危機と密接に関連していたこと、しかし女性たちの任務は限定的で、危機を生じさせる社会構造の変革には及ばなかったことを具体的に検証した。 ③に関する調査では、行政広報や大衆文化を通じて「母性的な女性警察官」イメージが喧伝された結果、危機の本質が隠蔽され根本的な解決を阻害してきた可能性を指摘した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、アジア太平洋戦争から現在に至るまでの長いスパンで、女性警察官に関する制度、広報におけるイメージ、個々人のライフヒストリーなどの多様な視点から、日本の女性警察官に関する通史的記述を目指したものである。 女性警察官は、社会の安全・秩序を維持するための行政機関の中で、一面、強固にジェンダー化されつつ、一面、ジェンダーを越境しながら女性の専門職として確立してきた。今や全警察官の一割を占める女性警察官が国民生活に与える影響は極めて大きい。しかし従来の女性警察官史には重大な欠落や誤謬があった。当研究によってようやく、今後の女性警察官に関する歴史学的研究の基礎が固まったといえる。
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