研究課題/領域番号 |
20K12477
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80030:ジェンダー関連
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
坂東 希 大阪大学, 大学院人間科学研究科, 特任講師 (60388626)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
|
キーワード | 逆境的小児期体験(ACEs) / 児童自立支援施設 / 非行 / トラウマインフォームドケア / ポジティブな小児期体験(PCEs) / 逆境的小児期体験 / グループアプローチ / トラウマ / 女子 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、児童自立支援施設のとくにトラウマ体験やトラウマ症状が多いとされる女子児童を対象に、トラウマ心理教育プログラムを開発することを目的とする。具体的には、初期のトラウマ症状に対応する心理教育プログラムとして米国で開発されたトラウマ・インフォメーション・グループや非行・犯罪行動の変化に効果が実証されてきた認知行動療法(CBT)や治療共同体(TC)等の研究を踏まえ、グループ形式のプログラムの実践・開発を通して、虐待等の逆境体験を抱えることが知られつつある女子非行少年の行動を支援者が適切に理解し、自他を傷つける行動変化を可能にする介入のあり方を理論と実践の両面から検討する。
|
研究実績の概要 |
2022年度は、これまでに実施した児童自立支援施設における女子児童を対象としたプログラムの分析結果をまとめ、「非行行動のある少女の自己理解と変化を支える―児童自立支援施設におけるグループ実践から」として学術雑誌に投稿した。また、児童福祉や教育、司法領域において非行行動などを有する子どもにかかわる実務家を対象とした研修を通して、本研究から得られた知見を共有するなど研究成果を発信した。他領域の実務家からトラウマ理解に基づく支援についてフィードバックを得ることもでき、本研究の新たな課題について検討する機会となった。 とくに児童福祉領域においては、逆境的小児期体験(ACEs)の影響と対応に関する関心は高まりつつあるものの、トラウマの理解に基づく支援と非行行動変化のためのアプローチを実践していくための具体的なあり方については試行的な段階にあり、よい事例などを蓄積していく必要性がある。同時に、ポジティブな小児期体験(PCEs)に関する研究も近年発展しつつあるため、こうした調査結果も踏まえた教育プログラムをモデル化していく必要がある。PCEsに関する文献収集も進めているところであり、来年度はこれらの結果をまとめる予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2022年度は最終年度であったが、海外調査が実現できず、当初予定していた海外における類似プログラムの実施者育成のあり方についての情報収集が文献のみに限定されたため、期間を延長した。一方、国内調査研究の実施方法については、インタビュー調査から観察記録の分析へと計画を一部変更せざるを得なかったものの、本研究の推進に大きな問題はなく、研究成果を論文にまとめることができている。
|
今後の研究の推進方策 |
2022年度までに実施できなかった海外での情報収集を可能な方法で進める。また、2022年度に取り掛かったPCEsに関する研究を踏まえ、児童自立支援施設における心理教育プログラム実施に関するスタッフ研修を試行的に実施し、その成果と課題をまとめる。
|