研究課題/領域番号 |
20K12482
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80040:量子ビーム科学関連
|
研究機関 | 大阪公立大学 (2022-2023) 大阪府立大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
岩瀬 彰宏 大阪公立大学, 大学院工学研究科, 客員研究員 (60343919)
|
研究分担者 |
堀 史説 大阪公立大学, 大学院工学研究科, 准教授 (20275291)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
|
キーワード | 荷電粒子ビーム照射 / アルミ銅、銅チタン合金 / 硬度、導電率制御 / 合金ターゲット / 硬度改質 / 電気伝導度改質 / 銅合金 / 電子線照射 / 強度改質 / アルミ合金 / イオン照射 / EXAFS測定 / 量子ビーム材料改質 |
研究開始時の研究の概要 |
高エネルギー荷電粒子(イオン、電子)ビーム照射により材料中に生成され、非常に大きな拡散速度を有する格子欠陥(格子間原子、原子空孔)と合金中の添加元素のカップリングによる照射促進偏析現象がもたらす添加元素のナノクラスター化を利用して、従来、高温かつ長時間を要した熱処理による材料プロセシング法に代わり、今までよりもはるかに低温かつ短時間で合金材料の高強度化と高電気伝導化を行う新規材料プロセシング法を開発する。研究対象は、より実用的な観点から、軽量構造材・電線材料としてのアルミニウム合金、電子デバイス基板・リードフレーム材料候補の銅チタン合金とする。
|
研究成果の概要 |
AlCu合金を室温でイオン照射することにより短時間で硬度の大きな増加を得た。低温での照射では硬度が変化しなかったことから、硬度増加は、原子空孔による照射促進拡散でCuナノクラスターが析出し、転位の動きを阻害したことによると結論した。Cu原子の析出は、EXAFS測定によって確認した。CuTi合金を260℃で電子線照射することにより、Tiリッチナノ析出物が生成し、硬度と導電率が増加した。粒子切断機構に基づく解析により、硬度増加と伝導率増加の相関を説明した。以上の結果は、従来の高温時効処理と比べて、低温且つ短時間での硬度、導電率を制御できる荷電粒子照射の優位さを示したものである。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
アルミ銅合金を軽量構造材・導電性材料として、また、銅チタン合金を電子デバイス基板、リードフレーム材料として実用に用いる場合、それらを高強度化、高導電率化することが求められる。本研究結果は、従来実施されてきた高温での熱処理に比べて、荷電粒子(イオン、電子)照射は、より低温でしかも短時間でこれら合金の強度、導電率を制御できることを示したものであり、材料プロセスの新たな方法としての荷電粒子照射法の可能性を示したことから、その社会的意義は大きい。また、照射促進偏析現象の基礎的過程に関する基礎的知見も得ることができているため、物質照射効果の基礎研究として、学術的意義も大きいと思われる。
|