研究課題/領域番号 |
20K12483
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80040:量子ビーム科学関連
|
研究機関 | 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構 (2021-2022) 東京理科大学 (2020) |
研究代表者 |
川崎 平康 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 加速器研究施設, 特別技術専門職 (00363268)
|
研究分担者 |
中村 和裕 群馬大学, 大学院保健学研究科, 教授 (10327835)
入澤 明典 立命館大学, 総合科学技術研究機構, 准教授 (90362756)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
|
キーワード | アミロイド線維 / 自由電子レーザー / テラヘルツ / βシート / αヘリックス / アミロイドーシス / ジャイロトロン / サブミリ波 / テレヘルツ / テラヘルツ自由電子レーザー |
研究開始時の研究の概要 |
遠赤外線の波長領域で発振するパワー強度の強いテラヘルツ自由電子レーザーを医療へ応用するための基礎研究を実施する。具体的にはアルツハイマー病などのアミロイドーシス疾患の原因物質であるタンパク質(アミロイド線維)に対して、テラヘルツ自由電子レーザーを照射し、タンパク質の構造変化を蛍光分析装置や赤外顕微鏡を用いて明らかにする。
|
研究成果の概要 |
本研究は赤外線波長域で高出力発振する電磁波のアミロイド線維に対する照射効果を明らかにすることが目的である。2020~2021年度までの研究では、波長56マイクロメートルのTHz-FELの照射によりリゾチームとβ2ミクログロブリン共にβシート構造が減り、αヘリックスが増大したことが判明した。2022年度では、波長720マイクロメートルのジャイロトロンをアミロイド線維に照射すると線維化反応が促進されるという興味深い現象を明らかにした。テラヘルツ波の波長を組み合わせて照射すれば生体高分子の凝集構造を解離させたり再会合させたりできるリサイクル技術の開発が期待される。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は高出力の赤外線を用いればアミロイド線維の構造を波長選択的に制御できることを世界で初めて示した。通常はケミカルな薬剤を用いてタンパク質の構造を制御するが、本研究では物理工学的手法を用いるため、環境に優しい技術である。波長の短いレーザーを用いれば線維構造を壊すため治療に応用できる。一方波長の長い遠赤外線を用いれば線維化を促進するので、微量なアミロイド線維の早期発見に有用である。将来、このような高出力赤外線が難病のアミロイドーシス疾患の治療と予防に役に立つことが期待される。
|