研究課題/領域番号 |
20K12489
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80040:量子ビーム科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構 |
研究代表者 |
長谷 純宏 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 高崎量子応用研究所 放射線生物応用研究部, 上席研究員 (70354959)
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研究分担者 |
森林 健悟 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 量子生命科学領域, 上席研究員(定常) (70354975)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | クラスターイオン / 枯草菌 / 致死効果 / 突然変異 / DNA鎖切断 / 動径線量 / 核間距離 / 全ゲノム解析 / 胞子 / 酵素活性 |
研究開始時の研究の概要 |
クラスタ―イオンビームがもたらす特徴的なエネルギー付与は、複数の原子が近接した状態でターゲットに同時入射することに起因するが、生物影響に関しては全く研究がなされていなかった。研究代表者らは、微生物試料への照射方法を確立し、突然変異の分子的特徴を解析することによって、世界で初めて生物影響に関する“クラスター効果”を示唆する結果を得た。本研究では、裏付けとなる空間的エネルギー付与のシミュレーションも含めてクラスタ―効果の核心に迫るとともに、酵素活性向上変異株の単離と解析から産業応用への有用性を評価する。
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研究成果の概要 |
これまで生物照射に利用されたことのないクラスターイオンビームの照射効果を枯草菌の胞子をモデルとして評価した。シリコンウェハ上にほぼ単層に配置した胞子を真空チャンバー内で照射し、生存率を調査した。2 MeV H2+と340 keV H+は線エネルギー付与は同等であるが、致死効果は2 MeV H2+の方が低かった。2 MeV H2+の2つの水素原子の核間距離及び動径線量を評価した結果、同等のエネルギー量であっても数nm程度離れた2ヶ所に付与されることで致死効果は大きく低減されること、また、軌道中心から半径1 nm程度の範囲のエネルギー密度が致死効果に大きく寄与することが実験的に示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、クラスターイオン特有のエネルギー付与を利用することによって、軌道中心のエネルギー密度が致死効果に大きく寄与することを初めて実験的に示唆する結果を得た。高LET放射線の生物効果を理解するツールの1つとして、クラスターイオンの活用が期待される。
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