研究課題/領域番号 |
20K12491
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80040:量子ビーム科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構 |
研究代表者 |
川瀬 啓悟 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 関西光量子科学研究所 光量子ビーム科学研究部, 主幹研究員 (60455277)
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研究期間 (年度) |
2022-01-04 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 半導体キャリアダイナミクス / 自由電子レーザー / テラヘルツパルス / 半導体 / 光物性 / レーザー |
研究開始時の研究の概要 |
半導体にバンドギャップを超える波長のバルスレーザーを照射すると表面に電子-正孔対が生成され、照射強度を増大させると薄い電子-正孔プラズマが形成される。この表面プラズマは半導体の種類や不純物濃度によりその滞在寿命が大きく異なる。表面プラズマはテラヘルツ領域の光に対してよい反射特性を持っているので、本研究では自由電子レーザーで発生させるテラヘルツパルス列を用いてこの表面プラズマの時間変化、すなわち半導体表面上のキャリアダイナミクスを詳細に計測研究する。
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研究実績の概要 |
前年度に引き続き、直接遷移型半導体であるガリウムヒ素と間接遷移型半導体であるシリコン、ゲルマニウムに対してフェムト秒レーザーで励起したキャリアのテラヘルツ領域の自由電子レーザーによるダイナミクス計測研究を、大阪大学産業科学研究所量子ビーム科学研究施設設置のテラヘルツ自由電子レーザー装置とチタンサファイアレーザーシステムを用いて実施した。 今年度の前半は、前年度に海外学術誌へ投稿したガリウムヒ素の反射特性についての論文の査読結果に従い、論文内容の追加修正のため、追加の実験計測を実施した。その計測結果をまとめて再投稿した結果、当該論文は受理され、雑誌に掲載されている(doi:10.1016/j.nima.2023.168618)。加えて今年度の後半は、前述の論文内で議論したテラヘルツパルス強度に依存した光励起半導体の反射応答についての詳細な計測研究を実施した。利用している自由電子レーザーによるテラヘルツパルスの電場強度は高強度であるため、テラヘルツパルス自身で半導体表面に励起されたキャリアの状態に影響する可能性がある。そのため、照射するテラヘルツパルス強度に対する反射応答を定量的に議論するために本計測研究を実施した。その結果、強度に依存したテラヘルツパルスの反射特性を確認した。 さらに今年度は特に本研究課題提案の主題である、新たな時間分解テラヘルツ計測手法としての、自由電子レーザーの37 ns間隔のパルス列を用いた、シリコン、ゲルマニウムに対するマイクロ秒の時間スケールに至る半導体キャリアダイナミクスに関する高時間分解計測の実験的研究を進めた。これまでのところ、この時間スケールにおいては2体の再結合主要な過程であるという計測結果を得ており、現在、より定量的な議論を進めている。 今年度は本研究課題に関して、前述の学術雑誌論文の他、3件の学術的会合における発表を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
前年度に投稿していた論文について、今年度前半は特に、査読結果に対する追加研究を進め、受理された。ガリウムヒ素だけでなく、シリコンとゲルマニウムについてもテラヘルツパルス列に対する詳細な応答計測を実施し、本研究課題の目的である光励起半導体のテラヘルツパルスによるキャリアダイナミクス研究に必要なデータを収集できている。
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今後の研究の推進方策 |
今年度取得したテラヘルツパルスを利用した実験結果を解析し、研究成果を取りまとめることを最終年度である令和6年度に実施する。これまでに利用してきたテラヘルツ自由電子レーザーを含む加速器利用施設が建屋改修のため、令和6年度から2年間程度、利用研究を停止する。それに伴い、解析結果を反映した再計測をすぐに実施することは困難であるため、必要に応じて、京都大学エネルギー理工学研究所や日本大学量子科学研究所の近中赤外自由電子レーザー、フェムト秒レーザー駆動テラヘルツ光源など他施設における追試研究の可能性も検討する。これにより同時に研究範囲の拡大も議論することで、本研究課題の成果と相乗して新たな研究課題提案を進める。
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