研究課題/領域番号 |
20K12493
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80040:量子ビーム科学関連
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
古賀 康彦 群馬大学, 大学院医学系研究科, 助教 (10533862)
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研究分担者 |
佐藤 隆博 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 量子ビーム科学部門, 研究統括(定常) (10370404)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 特発性肺線維症 / 特発性間質性肺炎 / PIXE / シリカ / 環境 / PM2.5 / イオンビーム / 元素解析 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、当院で胸腔鏡下外科的肺生検を行って特発性肺線維症と診断されてきた肺組織標本を用い、多元素解析を行う。多元素解析については、イオンビーム技術を応用したIn-air micro particle-induced X-ray emission (大気マイクロPIXE)装置を用いて行う。肺組織中の吸入元素の種類・含有量と臨床経過との関連性を明らかにし、イオンビーム技術を肺線維症の臨床検体・臨床データに応用することで、肺線維症の成因解明を行っていく。本研究結果が特発性肺線維症の早期発見早期治療へとつながり、多くの肺線維症患者さんの役に立つ基礎と臨床の架け橋となる研究を目指していく。
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研究成果の概要 |
本研究では、in-air micro-PIXEによる元素解析により特発性肺線維症の肺組織中に結晶性シリカが多く含まれ、肺組織中のシリカに比例して特発性肺線維症の疾患進行が早いことが明らかとなった。さらに、肺内シリカ量が多い症例では、少ない症例より生存期間が短いことも判明した。我々は、環境からの吸入シリカが肺線維症の進行に関与し、予後不良な転帰をもたらしていることを世界で初めて示す事に成功した。本研究により、シリカを含む環境因子の特発性肺線維症への関与が明らかとなり、環境暴露に対する公衆衛生学的な予防の対策や結晶性シリカに対する新たな治療戦略の道筋が示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
臨床的に期待される成果: 特発性肺線維症におけるシリカの蓄積・分布を明らかにすることで、特発性肺線維症の病因を解明する新たな道筋となる。 さらに、体内へのシリカ暴露の遮断や、体内でシリカをキレートするための新たな治療戦略の開発へとつながる。 社会的に期待される成果: 特発性肺線維症の病因におけるシリカが果たす役割への理解を深めることで、シリカ暴露を制限する公衆衛生の取り組みや職場の安全基準に役立つ可能性が期待される。また今後の研究において、特発性肺線維症に関する今後の疫学調査や臨床研究へのまったく新しい基盤の提供となり得る。特に、その病因における環境要因の役割に焦点を当てた画期的な研究となる。
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