研究課題/領域番号 |
20K12495
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80040:量子ビーム科学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
友野 大 大阪大学, 核物理研究センター, 特任助教(常勤) (40415245)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | ミューオンビーム開発 / ミューオン原子ビーム / ミューオン / ミューオニックヘリウム / ミューオニック原子 / ミューオンビーム / 量子ビーム科学 / 量子ビーム応用 |
研究開始時の研究の概要 |
ヘリウム3原子(3He)が負ミューオンを捕獲して三重水素とミューオンニュートリノを生成する2体反応により、ミューオンニュートリノの質量を運動学的に決定できる。ただし、ヘリウム3標的中でミューオンを止め、放出する三重水素を精度良く検出するには困難が多い。そこで、3Heとμを一体化したミューオニックヘリウムビームの生成に挑戦し、標的外部に取り出すことで低バックグラウンド下での測定を実現させる。本課題では主にこのビーム生成に挑戦し、ミューオニックヘリウムイオンビームの生成量の評価、最適化を図る。
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研究実績の概要 |
ミューオンニュートリノ質量の直接測定では入射粒子と崩壊生成物の運動量を精密測定することによって、運動学的に計算することで質量が求められる。高精度での測定するためには、 二体崩壊など運動学的に簡単なプロセスでであること、崩壊前後の粒子の運動量が決定できること、 粒子の質量が精度よく決まってい ることがポイントとなる。ミューオンニュートリノの直接測定に関しては、90年代にパイ粒子を用いたπ^+→μ^++ν_μの崩壊プロセスを用いた測定が最も高精 度で測定されている。われわれはパイ粒子崩壊とは全く独立した原子核標的へのミューオン捕獲反応を用いた測定手法を開発を最終目標として、その元となる ミューオニックヘリウムビーム開発として運動量可変な3Heμ+ビームを生成ことを目的とする。ところでビーム自体は様々な応用が考えられるが、特にこの原子からヘリウムイオンを解離することで 低速のミューオンを生成することが可能であり、この 点も考慮して開発を行う。当初考えていたビーム生成方法には問題点が数多くあり、申請中とはことなる方法での生成を目指して計画を変更している。手法は必ずしも自明でないので、最適化や実際のビームの強度、分布、効率など検討を阪大核物理研究センターのミューオンビームを用いて系統的に研究を進める予定である。合わせて、核物理研究センターのミューオンビーム自体の改良もすすめており、本研究ではミューオンビームの最適化も測った上で4Heを用いてビームとして取り出すことを最初の目標としている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
昨年度は実験計画の練り直しと実験のためのビームライン整備を中心に行った。 実験計画については当初計画していた実験から変更が必要になったため、装置のシミュレーションを中心に装置設計を行っている。並行して整備を行っているミューオンビームライン整備においても装置トラブルが発生したため、改良に時間を要している。 また、体調不良のため研究を中断せざるを得ない期間が長期にわたったため、今年度に引き続いて研究を行うこととした
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は前年度の改善をもとに引き続き装置の設計と製作を行う。ミューオンビームの再会も予定されており、一昨年度導入予定だったデータ収集系と検出器の一部に関してテストを行い、ビームの調整、装置全体の製作を行う予定である。ただし予定されているミューオンビームの整備が遅れた場合には、ビームのない状態でのテストないし他施設でのミューオンビーム照射も含めて、検討を行う。
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