研究課題/領域番号 |
20K12497
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80040:量子ビーム科学関連
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研究機関 | 大阪公立大学 (2022-2023) 大阪府立大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
松井 利之 大阪公立大学, 国際基幹教育機構, 教授 (20219372)
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研究分担者 |
堀 史説 大阪公立大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (20275291)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 照射誘起強磁性 / イオン注入 / 磁性ナノ粒子 / 磁気改質 / 高エネルギーイオンビーム / 照射効果 / XMCD / クラスターイオン |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,高エネルギーマイクロイオンビームとクラスターイオンビーム照射を利用した3次元局所傾斜磁気構造構築技術を開発し,新たな動作原理を持つ磁気交換結合素子へ展開するという新規な磁気応用機能開拓を行うことを目的とする. 反強磁性-強磁性メタ磁気相転移を示すFeRh合金に対し,描画機能を持つ高エネルギーマイクロイオンビーム照射を利用したマスクレスナノスケール局所磁気構造作成技術と,クラスターイオン照射による極表面領域での深さ方向への傾斜磁気機能改質技術を融合する技術開発を行うことを目指す.
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研究実績の概要 |
研究最終年度にあたり,当初計画した各種高エネルギーイオンビーム照射を利用した3次元局所傾斜磁気構造構築技術の開発と新たな動作原理を持つ磁気交換結合素子へ展開に加えて,設計する3次元磁気構造のキャップ層やボトム層機能を担う,複合ナノクラスター磁性材料に対す検討を継続的に進めた. 3次元磁気構造の制御技術に関する課題については,その解析方法の高度化を進め実験結果の評価を進めた.本手法は,得られた磁気モーメントの検出深度依存性を定量的に考察する為に、我々は試料の極表面領域(~20 Angstrom)をさらに8層に分けたモデルを考え,各層に対する単イオン照射による弾性的エネルギー付与プロファイルをもとに,クラスターイオン照射資料のXMCD解析の深さ方向磁気モーメントの異存性を解析した結果とをフィッティングシミュレーションする手法を用い,磁気プロファイルの照射量依存性を説明しうることを明らかにした.これらの成果により,クラスターイオン照射を用いた極表面領域での局所的なエネルギーインプランテーション技術の活用により,深さ方向への効果的な磁気傾斜機能の付与の可能性を提言できたと言える.これらの知見に関しては,現在論文投稿を進めている段階である. 複合ナノクラスター磁性材料に関する研究では,複数の異なるイオンを異なる条件でイオン注入することにより,その構造体や分布状態を制御できることを見出すことができた.これらの技術の活用により,望ましい磁性状態をも合金型の磁性クラスターキャップレイヤー等の合成の可能性が示唆された.これらの成果は,絶縁体中の磁性ナノクラスター作成に関する技術と高エネルギーイオンビームの照射を活用した照射誘起強磁性とを組み合わせた複合技術へと進化させる可能性を見出すことができたと言え,あらたな3次元構造制御磁気機能物質開発へと展開できる可能性を示唆していると言える.
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