研究課題/領域番号 |
20K12500
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80040:量子ビーム科学関連
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研究機関 | 近畿大学 (2021-2022) 立命館大学 (2020) |
研究代表者 |
堤 康宏 近畿大学, 理工学部, 講師 (50734943)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | 放射線検出 / 微弱光検出 / 光スペクトルの赤方偏移 / 位置検出器 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、新しい検出原理に基づいたファイバ型放射線位置検出器の動作を実証するものである。本研究では、放射線が入射すると微弱光を発するシンチレーションファイバを用いる。放射線により発生した微弱光がファイバを伝搬する距離が長いほど、光スペクトルが長波長側にシフトする。この性質を利用して、放射線入射位置を検出する。そのために、微弱光から光スペクトルの変化を検出する方法を検討する。これにより、信号の片側読み出しによる放射線検出が実現し、例えば人体への挿入が可能となり放射線治療への応用が期待できる。
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研究成果の概要 |
シンチレーション光の光スペクトル変化に基づいた放射線位置検出法を提案し、その原理実証を行った。提案法は、シンチレーション光をシンチレーションファイバの伝送損失の大小での2つの波長域に分離してシリコン光電子倍増管で検出し、2つの光電子倍増管の出力信号比から光スペクトルの赤方偏移の度合いを評価することにより、位置を検出する方法である。原理確認実験により、Sr90のベータ線源の位置検出が可能であること示した。また、提案測定法では信号対雑音比の改善のため、同時測定を行う。同時測定のしきい値に測定結果が依存することを示し、しきい値が提案測定法において重要なパラメータになることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
20フォトン程度の微弱なシンチレーション光の光スペクトルの変化を評価し、線源位置を検出可能であることを明らかにした。ダイクロイックミラーは光の波動性に基づいた素子であるが、光量が極端に少ない場合でも多数回測定し平均化することで、光量が多い場合と同様に機能することが明らかになった。さらに、信号到達時期が不明な微弱光の測定において同時測定を行うが、信号の有無を判定するしきい値が測定結果に大きな影響を及ぼすことを明らかにした。本測定法はファイバ片端に装置を集約でき、設置時の制約が緩和される。このことから、人体内に挿入する線量計や核物質貯蔵庫周辺の広範な線量モニタリング等の応用への発展を期待する。
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