研究課題/領域番号 |
20K12515
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90010:デザイン学関連
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研究機関 | 拓殖大学 |
研究代表者 |
白石 照美 拓殖大学, 工学部, 教授 (70266237)
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研究分担者 |
阿部 眞理 拓殖大学, 工学部, 教授 (50193008)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 家具固定 / 室内防災 / タケ材 / 編組構成 / タケ |
研究開始時の研究の概要 |
室内防災および減災に寄与する内装およびインテリアアイテム開発の糸口を見出すために,主として家具固定を促すこと,家具を軽量化すること,転倒してもダメージが少ない家具にすること,について検討する。家具固定に対する抵抗感を軽減する壁面の素材と構成,タケを中心とした自然素材による軽量で弾性を有する家具構成について試作と実験により検証し,それをもとにプロトタイプを提示する。 生活空間における意匠性を考慮した上で,内装材および家具自体に防災性能をもたせることで,住宅の新しい価値となる「室内防災性能」を高める。
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研究実績の概要 |
①木ネジによる家具固定の促進を目的とした住宅壁面の内装システムデザインに関する研究では、前年度までの成果として得られている木ネジを打ち込む作業時の筋活動量の計測と、木ネジの引き抜き試験の結果の比較から、シナ共芯合板を壁装基材の第一候補とした。今年度は、木ネジによる家具固定を妨げる大きな要因である「壁面の傷が目立たない」表面加工について検討した。具体的には、シナ共芯合板に、レーザー加工機による切削加工、塗料による着彩、着彩とレーザー加工機による切削加工を組み合わせた表面加工について、一対比較法による実験を行った。その結果、直線と曲線、線の間隔、着彩の有無によって、木ネジによる壁面の傷の目立ち方に差があることが把握できた。加えて、壁装材としての視覚的影響を感覚評価試験によって確認した。
②転倒しにくくかつ転倒による人的ダメージを軽減するタケ材による家具の開発については、前年度までの成果である「タケ緩衝フレーム構造シェルフ」をベースに、残された課題であった収納性の向上を目的に、タケ材による編組構成を用いた面材を付加する検討を行った。編組構成面については、強度や加工性、フレーム構造のシェルフとの接合性、振動によるフレームの変形への追従を考慮し、タケ材に床革やフェルトを重ねたサンプルを制作し、破壊実験、せん断実験等で強度と変形の特性を確認した。今回制作したサンプルの中では、タケ集成材突き板と床革を重ねた網代編みの構成面が最も高い強度を示したため、これを側面、背面、一部の棚板として用いて収納家具の試作を行った。下部にタケ集成材挽板による板組構造のボックスを配し、上部にタケ緩衝フレーム構造のシェルフを接合した2層構造とすることで重心を下げて転倒リスクを抑え、上部は、軽量で弾性を有するタケ緩衝フレーム構造により、転倒ダメージの軽減が期待できると考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
家具固定およびタケを主材とした転倒ダメージ軽減家具のいずれについても、基本的な実験を実施し、それをもとに必要な要素を抽出して具体化した一次試作が終了している。この過程で手作業による編組構成面材の制作と実験に時間を要したことが遅れの原因のひとつである。そのため、編組構成面材を加えた一次試作の実験的検証を年度内に実施することができなかった。これを実施するために、1年間の延長を申請している。最終年度は、一次試作した家具の振動実験等による検証を実施し、実験の結果を踏まえたうえで、試作の過程で出てきた、いくつかの加工上の問題点を技術者にアドバイスを求めながら、ブラッシュアップし、最終試作に取り組む。
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今後の研究の推進方策 |
タケ材の特性を活かした転倒しにくく、転倒してもダメージの小さい(軽量・弾性)家具のデザイン要素について、試作と検証を通して確認を進めており、現段階では弾性を有する緩衝フレーム構造の有効性を確認した。この有効性を保ち、かつ収納性、利便性を高める編組構成による面材の検討を実施し、一次試作が完成している。今後は、これに対して、振動実験、耐荷重試験等を実施し、検証と必要に応じた修正を予定している。 具体的には、現状、変形に追従する編組構成の面材をフレームに紐や面ファスナで固定することで、極力弾性を阻害せず、収納性の向上を図っているが、より効果的で確実な固定方法について再度検討する。さらに、視覚的な印象評価についても検証したいと考えている。
家具固定に関しては、固定行動を阻害する物理的要因と心理的要因をアンケートから明らかにしたうえで、昨年度、壁面基材候補の選定、固定の際に生じる木ネジのキズが目立ちにくい基材表面加工の要素を抽出し、デザイン提案の一例を示した。これについても、再度精査したうえで、まとめて公表する予定である。
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