研究課題/領域番号 |
20K12518
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90010:デザイン学関連
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研究機関 | 愛知工業大学 |
研究代表者 |
宮本 好信 愛知工業大学, 工学部, 教授 (70502483)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2023年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | おりがみ / きりがみ / デジタル・ファブリケーション / 建築形態学 / 折紙工学 / 機構学 / 形態生成 / 展開構造 / MEMS |
研究開始時の研究の概要 |
折り紙を拡張する技法、折紙工学を拡大する概念として拡張折紙(Extended Origami)を深化させる。回転建立方式(RES: Rotational Erection System)は一枚の面素材に切り目と折り目を系統的に配して面外に立体を形成する拡張折紙技法である。本研究ではRESを建築から微小機械まで、大小のスケールで既存の加工要素技術に応用して、その有効性を実証する。RESの幾何学原理を多分野、多スケールに応用する加工法、建設構法、機構を開発・検証し、デジタル・ファブリケーションにおける基礎技術として応用範囲を拡大する。折紙工学の新たな地平をひらく独自手法の確立と普及を促進する。
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研究実績の概要 |
当初計画で、2020年度予定のコンクリート・チルト・アップ構法の海外事例視察は、コロナ禍のため、先送りしたが、海外渡航状況が改善せず、 延期となっている。木製ドーム枠組(直径4m)については、基本設計案を作成し、FEMによる構造検討、板材と張線素材候補の選定 した。2021年度に製作予定の製作候補会社の選定、デジタル・ ファブリケーション方法、作業詳細、予算配分まで完了したが、詳細設計検討に時間を要し、実制作はできなかった。2022年度前半に制作開始の予定であったが、2023年度に再延期になった。 当初2022年に予定していたコンクリート製ドーム枠組(直径4m)については、実施方法の見直しをしている。 MEMS試作については、コロナ禍のため、国内製作施設視察に制限があり、2022年度も試作用設計案を先行して作成した。 超弾性形状記憶金属板での試作は素材調査検討の段階であるが、形状記憶樹脂ではヒンジ駆動の制作と実験に成功し研究集会で発表した。2022年度はこの試作手法を整理深化した。 2021年度に引き続き米国のCNCカット・パタン設計WebアプリCuttle(カトル)の開発陣の協力を得て、自由度の高いパタン設計ツールを深化させ、このツールを用いて非軸対称のRESの要素をもとに、新規性の高いデザインを考案し、Origami Simulatorで動画にしてWeb公開した。2022年度はそれらを総合的な設計手法としての整理を進めている。 大型試作は2年遅れになってしまったが、デザイン手法の拡張と設計ツールの拡充は進捗をした。研究集会での定期的発表と、アウトリーチ活動を含めた対外発表を継続している。2023年度は研究計画終盤に向けて、遅延を取り戻す予定である。また、2024年中期にメルボルンで開催される本研究分野のトップ・カンファレンス8OSME(第八回折り紙科学数学教育会議)での発表を目指している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
海外視察、制作現場での調整が必要な試作関連の実施が後回しになっている。 理論面、デザイン・ツール開発、デザイン展開での深化は順次進行している。これまでのデザイン手法の系統的整理、理論的整理が必要になっているが、理論的整理の明快な数学手法として、Geometric algebra(GA, 2015年頃から普及)の導入を模索しており、習熟に時間を要している。
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今後の研究の推進方策 |
遅延している大型試作の制作を推進する。 従来予定の木工製作所に加え、2022年からサービスが拡大しているデジタル建材加工Web支援サイトを利用する予定である。 小型の試作は、3Dプリンタ(FFF)、CNC機器、レーザーカッターなどで内制する体制を2022年度から、3Dプリンタ(光造形)を追加し、制作の技法を蓄積、拡大する予定である。 理論整理の面では、折紙学会で交流のある数学研究者、物理研究者とGeometric algebraでの解析手法の研究交流を進める予定である。
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