研究課題/領域番号 |
20K12539
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90010:デザイン学関連
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研究機関 | 武蔵野美術大学 |
研究代表者 |
高山 穣 武蔵野美術大学, 造形学部, 教授 (50571907)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | グラフィックス / 装飾 / メタボール / アルゴリズム / L-system / CG / プロシージャル / デザイン設計支援 / 文様 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究課題は、コンピュータグラフィックス分野において複雑な装飾文様を効率的に生成、もしくは設計支援する技法の開発を目的とする。特に手続的(プロシージャル)な文様生成技法の開発に取り組むほか、生命科学的な成長・増殖のアルゴリズムや機械学習等の仕組みを応用することを試みる。それにより周辺環境に応じて文様が自律的に展開される造形技法や、それを応用したデザイン設計支援システムの実現などが期待できる。
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研究実績の概要 |
本研究年度においては、まだ新型コロナウイルス感染症の影響が消え去ったとは言い難いものの、これまでの遅れを取り戻すために可能な範囲で技術改善を行い、学会にて成果発表を行うことができた。 特に研究の中核となるアルゴリズム開発について、継続的に開発を続けている「メタボールを応用した動的に変形可能なゴシック装飾」の作図技法については、かなりの精度が上がってきており、前研究年度までは難しかった形状変形や、より複雑なモチーフ形状に対応できるような改善を行った。このことにより後期ゴシック様式に見られる複雑な文様生成も以前よりも破綻が少ない状態で再現することに成功した。これらを実装したゴシック装飾の設計支援システムも開発が着実に進んでおり、より直感的に操作できるようモチーフの端点をインタラクティブに制御できる機能など、抜本的なインターフェースの改善を行いつつ操作性を高めている。さらに実際に実在する大聖堂のバラ窓の窓枠装飾を再現する実験なども行うことができ、本研究の効果を確認・評価できる段階に近づいている。ここまでの成果について、本研究年度秋季に開催された国内学会において発表を行った。 また、モチーフ設定に関する最適化のため、機械学習を応用して形状パラメータを自動設定することにもある程度成功しており、自動的なモチーフ充填などへの応用が見込まれる。これらはより精度向上を行うとともに効果の検証を行い、成果がまとまった時点での対外的発表を目指している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
技術的なアルゴリズム開発については継続的に一定の成果が得られているものの、数年前から続く新型コロナウイルス感染症の影響や、それに伴う所属研究機関の業務増加等により、研究結果の検証や評価に至るプロセスや、成果発表までの全体的なスケジュールに遅れが生じている。
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今後の研究の推進方策 |
本研究年度までの成果を受けて、完成度が高まっている装飾描画技法、および装飾設計支援システムについては引き続き国内外の学会等への対外的発表を試みる。具体的発表形態は学会発表等に加え、発表予定の関連学会に併設されるアート系公募展等での審美的造形物としての発表も目指す。同時に、アルゴリズム開発のみならずデジタルコンテンツ分野を見据えた様々な応用例を探ることとしたい。以上の項目に加え、関連学会・大会の視察(オンライン開催の大会も含む)も継続して検討し、研究の遂行に必要な資料収集を行う。
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