研究課題/領域番号 |
20K12548
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90020:図書館情報学および人文社会情報学関連
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研究機関 | 青山学院大学 |
研究代表者 |
小田 光宏 青山学院大学, コミュニティ人間科学部, 教授 (00185604)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 公共図書館 / 図書館サービス / 地域情報 / 情報源創出 / 情報源継承 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,公共図書館の地域情報資源を後世に残し,また,同時代に伝える役割・機能を,日本の現代社会の課題に沿って再設定する必要があるとの問題意識に基づいている。研究では,公共図書館における地域情報を組織化して情報源として整備する活動や,地域の情報を探り出して創出する活動に関して,その実態を全国的に調査・分析し,実践の多様性と効用に関する知見を把握する。具体的には,どのような活動形態が存在するか,どのような条件のもとで活動が行われているか,活動に影響を与える要因にはどのようなものがあるか,活動によってどのような効用がもたらされるか,という4課題を設定し,質問紙調査と聴取調査を組み合わせて進める。
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研究実績の概要 |
本研究は,公共図書館における地域情報・地域資料に関係する取り組みの中から,地域の日常に存在する印刷資料や画像資料,人々の記憶や人々の間で伝承されてきた情報などを組織化して情報源として整備したり,掘り起こして提示したりする能動的な図書館活動に着目し,全国の公共図書館における実態を明らかにすることを目指している。そのために,2021年度に質問紙調査の調査票を設計し,2022年3月から9月の期間(督促期間を含む)に,2022年3月時点で図書館を設置している地方自治体の中央的図書館1,391館に協力を求めて実施した。回収率は,74.0%(1,030館)であった。調査票では,関係する図書館活動に関する12の設問を用意し,調査時以前の10年間に実施した図書館活動を対象に尋ねている。各設問は中央館及び地域館や分館の活動も含み,選択肢を設けて選択する形式としている。また,実施していると回答した図書館には,提供状況,資料や活動のタイトルや内容,実施主体,現在の状況,資料の種別を尋ねた。 その後,数量的な分析を先行させて,データを集計し,結果を2023年度日本図書館情報学会春季研究集会で発表した。題目は「公立図書館における「地域情報資源創出継承活動」の実態」であり,研究協力者の仲村拓真氏(山口県立大学・講師)と共同で行った。この発表資料等は,2024年1月に御礼状とともに,回答した図書館(1,030館)に送付した。 2023年度後半は,自由記述の分析し,特徴的な活動事例を抽出することに着手した。その過程で,抽出の見通しは立つものの,新型コロナウイルス感染症の5類移行が,2023年度中になったため,年度内に活動を再開する図書館は限られていた。そうした館では,2024年度に向けて活動再開の予算化を計画していることから,聴取調査を2024年度に延期させることが望ましいとの認識に至った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究初年度となる2020年度から2022年度まで,新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い,研究計画をその都度見直し,いくつかの研究活動を,その後の年度に延ばして実施してきた。質問紙調査はその一つであったが,2021年度に改善を図ることができ,2021年12月に調査票の設計を終了させた。その後,2022年3月から9月にかけて質問紙調査を実施するに至った。また,2022年10月以降,データの集計・分析作業を行い,2023年6月には,数量的データの結果に関する研究発表も実施した。一方,自由記述をもとにした,特徴的な活動をしている図書館を抽出する作業の過程で,そうした事例を2023年度中に再開している図書館が限られていることから,聴取調査については,2024年度に延期して行うことが望ましいとの判断に至った。 2024年度内には,当初の目的に沿った研究の完遂が見込まれている。 こうした事情から,進捗状況が「やや遅れている」とした。
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今後の研究の推進方策 |
上記「現在までの進捗状況」にも記したように,2022年度までに,研究計画の一部修正を行い,2022年度に,全国規模の質問紙調査を行うことができた。また,2023年度には,数量的なデータに基づく研究発表を行った。しかし,新型コロナウイルス感染症の影響は,2023年度においても残り,質的データに基づく聴取調査を中心に,予定したすべての計画を,2023年度までに終了させるには至らなかった。2024年度は,残された計画に関して進めることとなる。 具体的には,質問紙調査の自由記述の分析を2024年度前半までに行い,質的データに基づく聴取調査を2024年9月を目処に実施する。その後,2024年度内に,聴取調査の分析をとりまとめることを目指す。
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