研究課題/領域番号 |
20K12549
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90020:図書館情報学および人文社会情報学関連
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研究機関 | 学習院大学 |
研究代表者 |
保坂 裕興 学習院大学, 文学部, 教授 (30219159)
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研究分担者 |
下重 直樹 学習院大学, 文学部, 准教授 (20807820)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | アーカイブズ / 憲政資料 / アーキビスト / アーカイブズ学 / アーカイブズ機関特命チーム / 現代記録 / 戦後日本 / 中央省庁 / 文書管理規則 / エイドリアン・カニンガム / アーカイブズ資料 / アクセス / 記録 / 評価 / アーキビスト養成 / 処分 / アーカイブズ・プログラム / 公文書館 / 専門職員 / 公文書管理 / 管理プログラム |
研究開始時の研究の概要 |
「公文書管理法」は、公的団体にレコードスケジュール、管理状況報告、特定歴史公文書とその利用請求権、公文書管理委員会等の基本構成をもたらしたが、民主主義の根幹を支える知的資源プログラムとしては必ずしも進展・充実をみていない。 本研究は、国内外の主な記録アーカイブズ・プログラムがどのように構築され、その目的達成が検証されているかを調査・分析評価するとともに、アーキビストがどのような能力を持つものとして養成されているかについて諸外国の事例を分析評価することを通して、表裏一体となるプログラムと専門職のあり方を正面から捉え、その有効なあり方についての知識を学術的に集積し、情報政策に提案・反映することを企図する。
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研究実績の概要 |
参議院事務局が所蔵する「憲政資料」(貴族院事務局が作成・取得した公文書を中心とするアーカイブズ)を調査する機会を得たことから、その研究・分析作業を通じて、これまで対象としてきた行政機関と立法機関の記録・アーカイブズのシステムの相互比較を行った。さらに8月から2月までの間にわたって、協力者とともに保存管理状況の調査や劣化抑止の措置、将来的なアクセスの確立のための目録作成などの一連の作業を実施した。 当初から参加を予定していたICA(国際アーカイブズ会議)アブダビ大会が3年間の延期を経て10月に開催されたので参加した。従来この分野の途上国であった国々が欧米等主要国に留学生を派遣してアーカイブズ学の博士号を取得させ、国のアーカイブズ制度を構想させ、実施に移しつつある様子、また、イギリス、スペイン、カナダなど主要国では、国の政治行政、教育制度、地域活性化政策にアーカイブズ制度が組み込まれて浸透している様子が知られた。 学習院大学が客員研究員として受入れたイネス・ガビレ氏(フランス文化省職員兼国立文書学校在籍生)と保坂は11月に独立行政法人国立公文書館と意見情報交換の研究会をおこなった。そこでは、日本側の公文書管理制度について説明を受けた後、ガビレ氏がミニ講演をおこない、①フランスの各省庁には、アーカイブズを統括する文化省の省庁間アーカイブズ部から「アーカイブズ機関特命チーム」(missions des archives)が派遣・設置され、半現用段階の記録を管理するとともに、国立アーカイブズへの移管を担当していること、②アーキビスト養成については従来、歴史補助学の傾向が強かったが、近年は現代の電子記録を扱い、確固とした情報資源を保存提供する専門管理者養成に変化していること等が報告され、質疑応答を通してより正確な理解が得られた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究代表者・研究分担者ともに新型コロナ感染症の影響を受け、予定していた会議・研究会等を中止せざるをえず、又は実施できないことがあった。
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今後の研究の推進方策 |
これまで着手してきた戦前・戦後から2009年の公文書管理法制定に至るまでの中央省庁の文書管理規則等について資料を採集するとともに、立法府参議院における歴史的資料の調査研究をすすめ、その諸特徴を明らかにし、とりまとめを進める。 関連する国際会議に出席するなどして、国内の公文書館等の活動及びアーキビスト養成の状況について意見・情報交換するとともに、その諸課題と改善案を取りまとめる。 これまでの研究調査活動に基づいて、研究報告会を開催し、研究を総括する。
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