研究課題/領域番号 |
20K12555
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90020:図書館情報学および人文社会情報学関連
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研究機関 | 桃山学院大学 (2021-2023) 広島経済大学 (2020) |
研究代表者 |
土屋 祐子 桃山学院大学, 国際教養学部, 准教授 (80458942)
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研究分担者 |
津口 純 (阿部純) 広島経済大学, メディアビジネス学部, 准教授 (50636090)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | メディアコミュニケーション・エージェント / ローカルな語り / メディアリテラシー / デジタルストーリーテリング / 内発的発展 / 文化継承 / 記憶の共有 / 地域の記憶 / 地域メディア / 観光ボランティアガイド / 継承 |
研究開始時の研究の概要 |
住民主体の地域メディアは、地元の文化や歴史を共有し、コミュニティの再生に寄与しつつ地域の内側に向けたコンテンツ制作や語りの場づくりに取り組んできた。他方、地域活性化や観光関連産業の活動においては、地域の外側にアピールできるよう、文化の保存・再生を産業的資源として重視し、住民による観光ボランティアガイドの育成にも力を入れてきた。本研究は、地域継承を起点とした住民主体のローカルの語りを生み出すメディアコミュニケーションのエージェント(行為主体者)の実践調査を行い、内発的発展のために地域を語り継ぐと同時に外部に向かって拓いていくようなメディアコミュニケーションのモデルとワークショップを考案する。
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研究実績の概要 |
本研究では、地域の内発的発展のために、コミュニティ内だけでなく外にも届くローカルな語りがいかに生まれるのかを検討している。2023年度は、その生成プロセスの考察を深め、ローカルな語りを生み出すワークショップのデザインとメディアコミュニケーション・モデルの構築に取り組んだ。具体的に実施したのは、(1)複数のエージェントと協働したワークショップ、(2)インタビュー・フィールド調査、(3)研究の発表とアウトリーチである。 (1)については、大阪市で多様な地域の人びとのためのコミュニティスペース作りに取り組むエージェントの語りから、大学生が自己の経験と結び付けた語りを生み出すリレー型のデジタルストーリーテリングワークショップを行い、さらにそれらの声を拡張していくような研究フォーラムを開催した。制作発表と交流、越境的学習の機会として、フォーラムの場自体を地域の内外の人びとが次なる語りを生み出すワークショップとしてデザインした。(2)では、フィールド観察やインタビューの追加調査を行った。デジタル絵本の開発・実践者への愛媛県豊橋市でのフィールド観察や、奈良県吉野山で伝統菓子を作り、語り伝えるエージェントへのインタビュー調査、沖縄県読谷村のコミュニティ放送局のフィールド・インタビュー調査を行った。(3)については、論文を執筆した他、メディアなどでアウトリーチを積極的に進めた。コミュニティラジオ番組でデジタルストーリーテリングの作品作りを紹介し、デジタルストーリーナイト・オンラインセミナーでは作品発表を行った。開催した研究フォーラムについては、大阪市の市民活動のポータルサイトに掲載され、大学のウェブサイトでも報告された。また、研究フォーラム内で広島県尾道市で進めた空き家再生コミュニティの調査報告も行った。加えて、これまでの成果を集約しアウトリーチするための本研究のウェブサイトを立ち上げた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
最初の2年間は新型コロナウィルスの影響が大きく、特に移動を伴うフィールド・インタビュー調査が進めらず、その成果を受けて行う予定だったメディアコミュニケーション・モデルの構築とワークショップのデザインに遅れが生じてきた。対応として研究期間を延長し、予備的なワークショップやオンラインを活用した研究会を代替的に実施、実践的研究を取り入れてきた。そのため、2023年度はワークショップのデザインと開催については着実に取り組むことができた。しかしながら、メディアコミュニケーション・モデルの概念構築と調査結果のまとめを含む研究の総括には時間を要することがわかり、もう1年延長するように全体の研究計画を見直した。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は、地域の内発的発展のためのローカルな語りを生み出すメディアコミュニケーション・モデルの概念構築と研究の総括を行う。そのためのフィールド・インタビューの追加調査、ワークショップを実施する。国内外の学会や活字媒体で発表するなど、研究成果を公表する。ウェブサイトを中心に成果のアウトリーチをさらに進める。
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