研究課題/領域番号 |
20K12569
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90020:図書館情報学および人文社会情報学関連
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研究機関 | 国立情報学研究所 |
研究代表者 |
西澤 正己 国立情報学研究所, 情報社会相関研究系, 准教授 (00281585)
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研究分担者 |
孫 媛 国立情報学研究所, 情報社会相関研究系, 准教授 (00249939)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | カデミックマーケティング / 景品表示法 / 研究成果 / 文献公表 / プレスリリース / 新聞報道 / アカデミックマーケティング / 機能性表示食品 / 大学 / 学術論文 / 産学連携 / 学術成果 / 報道 / オープンアクセス |
研究開始時の研究の概要 |
本研究ではアカデミックマーケティングに関係すると思われる研究報道に関し、(a)根拠となる学術結果や資料、特許等がどれほど特定でき、公表されているのか、2003年の法律新設前後および現在に至るまで、どのような変化があるかを調査する。また、(b)関連する商品の販売動向や問題点等も調査し、文献があるものに関しては、その引用状況と反証等の有無、さらには消費者庁等関連機関等からの指摘や措置命令の有無を「公正取引情報」等も参考に調査していく。(a),(b)の結果から、文献公表とマーケティングの成功、問題点の有無等との関係を分析し、明らかにしていく。
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研究実績の概要 |
平成15年に「景品表示法」の新設等があり、商品・サービスの内容に関する合理的な根拠のない表示を効果的 に規制することができるようになった。これに伴って大学等の研究機関を第三者機関としたアカデミックマーケティングが行われることが多くなってきている。我々は、これまでの研究で、大学関連のプレスリリースと新聞報道等の関連を調査してきた。そこではアカデミックマーケティングに関すると思われる企業との共同研究も多く見られ、本研究の動機となっている。本研究では、これらに関係すると思われる研究成果等の報道に関し、根拠となる学術結果や資料、特許等がどれほど特定でき、公表されているのかを調査する。さらに、これらの文献公表とマーケティングの成功、問題点の有無等との関係を分析し、その関係を明らかにしていくことを目的とする。 本年度は大学から発信される研究成果としてのプレスリリースについてデータ収集を行った。これまでの分析には日経テレコン21掲載されたプレスリリース情報を用いてきた。この中の日経プレスリリースについては大学からのプレスリリースを多く掲載していたが、近年掲載率が低下し、大学から直接発信されるプレスリリースとの記事数の乖離が大きくなってきている。また、科学技術振興機構のScience Portalにリンクされる大学も57大学と増えてきていることから、一部の大学から直接発信されるプレスリリースと日経プレスリリースとの記事数の比較を行った。結果的に東京大学が約81%、東北大学が約53%、京都大学が約22%等、大学によって日経プレスリリーへの掲載率に差があることがわかった。また、日経テレコン21では近年日経プレスリリース自体の掲載数が約半分になっている状況も確認できた。これらの結果は国際会議COLLNET2023や情報知識学会年次大会で報告した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度は日経プレスリリースの記事数の変化の問題から、プレスリリースを直接大学のサイトから取得する方針に変更した。これによりデータ収集と原論文DOIの抽出方法を確立し、発信数の多い大学に関してはプレスリリースを取得できる目処がついた。本年度はこれらの結果を国際会議COLLNET2023において発表し、研究費はこの参加のための旅費と参加費に使用した。これまでの開発をもとに、今後、アカデミックマーケティングに関する教師データを準備することにより、新聞報道中の関連する報道記事の抽出が可能になるであろう。
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今後の研究の推進方策 |
今後は機械学習モデルの作成で後回しになっていたプレスリリースからのアカデミックマーケティング関連の記事を、産学が連携したプレスリリースから抽出していく。これに関してはこれまで、機関名抽出とセクター分類の自動化手法を開発済みであり、さらにNISTEPの機関名辞書も取り入れて精度向上を図りつつ進めていく予定である。また、プレスリリースの記事に関しては前年度の研究で報告したように日経プレスリリースからの取得が難しいため、各大学のプレスリリースサイトから直接スクレイピングを行なっていく予定である。これらの分析を進めることによって、2024年度には大まかなアカデミックマーケティング関連の記事の動向を捉えることができるのではないかと思っている。新聞記事上での抽出に目処がついた時点で、Webやソーシャルメディア上の記事に対象を広げていく予定である。
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