研究課題/領域番号 |
20K12570
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90030:認知科学関連
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研究機関 | 長崎総合科学大学 (2023) 岩手大学 (2020-2022) |
研究代表者 |
松岡 和生 長崎総合科学大学, 共通教育部門, 特任教授 (50209508)
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研究分担者 |
山口 浩 岩手大学, 人文社会科学部, 嘱託教授 (20174625)
川原 正広 岩手大学, 人文社会科学部, 准教授 (80850156)
松田 英子 東洋大学, 社会学部, 教授 (30327233)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 視覚心像 / 投射 / アイトラッカー / マッカロー効果 / 脳機能画像法 / 直観像 / 共感覚 / 視覚イメージ / 投射イメージ / 脳機能イメージング / fNIRS / fMRI / ハイパーファンタジア / fNIRS安静時脳機能結合 / 視線活動 |
研究開始時の研究の概要 |
直観像と共感覚はともに、眼前には存在しない対象物や風景、色彩やパタンといった視覚像(Photism)が外部空間にありありと「見える」という特異な視知覚性イメージをともなう現象である。本研究はこうした直観像と共感覚のPhotismの感覚的鮮明性と外部投射性に関わる知覚情報処理について脳機能画像法、視線活動計測、認知行動実験を用いて検討し、その特異性を示す科学的エビデンスを提供する。また直観像・共感覚保有者の視空間イメージ表象能力をアファンタジアからハイパーファンタジアに至るスペクトラムの一方の極に位置づける「認知―神経機構モデル」の構築を試みる。
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研究成果の概要 |
本研究では直観像および共感覚を有する人々がもつ外部投射性視覚心像の知覚的特異性を質問紙調査,眼球運動計測および視覚残効実験,脳機能画像法などの方法を用いて検証した。その結果,直観像素質者と投射型共感覚者は①感覚イメージ,空想没入性,夢見に関わるイマジネーション認知能力が特に強いこと,②視覚心像想起時の視線活動に特異性があること,③視覚性の残効強度が強いこと,④特異な安静時脳機能結合パタンを示すこと,⑤夢見時のポリグラフに特徴が認められることの知見を得た。幻視に類したリアルな感覚イメージ体験を可能にする(健常者としての)認知神経基盤の素質(disposition)に関する仮説モデルを提出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
直観像と共感覚の関係性とその神経機構に関する脳機能はまだ明らかにされていない。したがって本研究により直観像と共感覚に共通する特異的な脳構造および脳活動パタンを見出すことができれば、日本を発信源とする高度なイマジネーション認知能力とそれを有するハイパーファンタジアに関する研究の進展に貢献する。研究の成果は理工,医学,芸術,デザイン系の人間の視空間イメージ操作能力の開発につながる。また心理臨床及び医療分野への貢献として,自閉症スペクトラム,解離性障害,外傷性ストレス障害などの類縁現象が観察される病理や障害の基礎的な脳機構の解明に役立つと考える。
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