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意図および感情の理解における視聴覚相互作用:WH語を含んだ表現を用いた学際的検討

研究課題

研究課題/領域番号 20K12575
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分90030:認知科学関連
研究機関常磐大学

研究代表者

高木 幸子  常磐大学, 人間科学部, 教授 (60638782)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
キーワードWH語 / if節 / 非言語情報 / 言語情報 / 意図の解釈 / 多感覚相互作用 / 人事採用面接 / オンライン面接 / 文化比較 / 他感覚相互作用 / コミュニケーション / 表情 / 音声 / 修辞疑問文
研究開始時の研究の概要

「何を食べてるの」,このたった一言だけでも解釈は多様である.純粋に情報を引き出すための質問なのか,相手の行為に対する非難なのか,後者の場合には食べ物に焦点を当てた非難なのか,食事行為そのものに焦点を当てた非難なのか,我々人間はこうした解釈の違いを瞬時に読み取り,コミュニケーションを行っている.
本研究では,上記のようなWH語を含んだ日英語における発話表現を分析の対象とする.発話者の意図や感情を聞き手が解釈する場合,抑揚や表情といった非言語的情報と,発話の意味といった言語的情報が影響し合うメカニズムを文化比較的観点から解明し,各情報の重みづけに関するモデル構築を行う.

研究実績の概要

本研究の目的は、発話者の意図や感情を聞き手が解釈する場合、非言語情報(発話における抑揚などの聴覚情報・視線や表情などの視覚情報)と言語的情報(発話の命題的内容や推論から得られる意味)がどのように影響し合うかについて、そのメカニズムを文化比較的観点から解明し、各情報の重みづけに関するモデル構築を行うことである。この目的を達成するため、分析の対象は「何を食べてるの」や「なんて人だ」のようなWH語を含んだ日英語表現、間接疑問文として“~かどうか”を示す機能のあるif節を含んだ日英語表現とし、こうした表現が出現しやすい社会的場面(叱責・謝罪・採用面接等)を想定して検討をすすめる。令和5年度は、これまでの研究に引き続き①不変化詞「の」に着目した実験的検討、②条件付き謝罪に関する実験的検討、③高次社会的場面である人事採用面接を題材とした言語情報・非言語情報の統合に関する検討、の3点が中心であった。
①では、ナント型感嘆文における意外性の解釈に着目し、「なんて~(なん)だ」という意外性を示す表現における「の」の効果を検証し、「の」の生起によって話し手による意外性判断を伴った驚き感情が示されることを明らかにした。この成果は欧文論文として再投稿中である。
②では、if節を伴う条件付き謝罪(例:もし~だったらごめんなさい)に関する実験的検討を行った。具体的には、条件付き謝罪の方が謝罪としての誠実性が低く評価され、これは加害者の責任の重さに応じて変化することを量的に示した。一連の研究は2編の論文(査読なし)として報告され、これらは電子情報通信学会2023年度ヒューマン・コミュニケーション賞を受賞した。
③では、令和4年度に引き続きオンライン採用面接に着目し、面接で表出される言語・非言語情報を分析して、得られた成果を学会発表2件として公表した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

令和5年度は「②条件付き謝罪に関する実験的検討」は順調に遂行できたものの、①および③については進捗が芳しくなかった。
「①不変化詞「の」に着目した実験的検討」については、論文査読プロセスでのリバイズに多大な時間を要している。また、「③人事採用面接を題材とした言語情報・非言語情報の統合に関する検討」では実験計画の練り直し、共同研究体制の構築に手間取ったことを理由に遅れが生じた。加えて、学内・学外業務の増加により、全体として遅れが生じている。

今後の研究の推進方策

令和5年度は、「①不変化詞「の」に着目した実験的検討」については引き続きリバイズをすすめ、論文を投稿する。
「②条件付き謝罪に関する実験的検討」については、令和5年度は日本語母語話者のみを対象とした実験から得られた知見をまとめたが、これを英語母語話者を対象とした実験に広げる。英語母語話者を対象とした実験から得られたデータに基づく知見を論文や学会で発表するとともに、日英比較へと発展させる。
「③人事採用面接を題材とした言語情報・非言語情報の統合に関する検討」については、令和5年12月に実施した中規模実験(実験参加者29名×3時間)のデータを表情・音声・発話内容(言語)に分けて解析し、それぞれから得られた知見をまとめるとともに、それらが統合されてどのように評価に影響するかについて学会および論文で発表する。

報告書

(4件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 2020 実施状況報告書
  • 研究成果

    (10件)

すべて 2023 2022 2021 2020

すべて 雑誌論文 (7件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] 日本語における条件付き謝罪-発話行為とポライトネスー2023

    • 著者名/発表者名
      坂本暁彦・髙木幸子
    • 雑誌名

      電子情報通信学会技術研究報告

      巻: 123(24) ページ: 139-144

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 発話行為論と日本語における条件付き謝罪-加害責任の重さが誠実性評価に及ぼす影響-2023

    • 著者名/発表者名
      髙木幸子・坂本暁彦
    • 雑誌名

      電子情報通信学会技術研究報告

      巻: 123(165) ページ: 1-6

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] ナント型感嘆文-不変化詞「の」の有無が快度評価に与える影響-2023

    • 著者名/発表者名
      坂本暁彦・髙木幸子
    • 雑誌名

      電子情報通信学会技術研究報告

      巻: 122(349) ページ: 102-107

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [雑誌論文] オンライン採用面接における発話内容と人事評価に関するテキストマイニングを用いた検討2022

    • 著者名/発表者名
      髙木 幸子・伊藤 博晃・安田 孝・渡邊 伸行
    • 雑誌名

      電子情報通信学会技術研究報告

      巻: 122(23) ページ: 1-6

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 衛生マスクとサングラスの着用が顔の魅力度の推測に及ぼす影響2022

    • 著者名/発表者名
      杉本 浩一・安田 孝・髙木 幸子
    • 雑誌名

      電子情報通信学会技術研究報告

      巻: 121(438) ページ: 80-84

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [雑誌論文] オンライン採用面接における自己像が志願者に及ぼす影響の予備的検討2021

    • 著者名/発表者名
      髙木 幸子・伊藤 博晃・安田 孝・渡邊 伸行
    • 雑誌名

      電子情報通信学会技術研究報告

      巻: 121(37) ページ: 85-96

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [雑誌論文] ナント型感嘆文-不変化詞「の」の生起に関する質的・量的検証-2020

    • 著者名/発表者名
      坂本暁彦、髙木幸子
    • 雑誌名

      電子情報通信学会技術研究報告

      巻: 120 ページ: 25-30

    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [学会発表] 「評価疲れ」の克服に向けた心理学の貢献の可能性2023

    • 著者名/発表者名
      渋井進・森一将・市村賢士郎・髙木幸子・澤田奈々実
    • 学会等名
      日本心理学会第87回大会公募シンポジウム
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] オンライン採用面接における表情特性が採用評価に与える影響2023

    • 著者名/発表者名
      髙木幸子・伊藤博晃・安田孝・渡邊伸行
    • 学会等名
      HCGシンポジウム2024
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] オンライン面接における評価の諸側面2022

    • 著者名/発表者名
      髙木 幸子・伊藤 博晃・安田 孝・渡邊 伸行
    • 学会等名
      日本行動計量学会第50回大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書

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公開日: 2020-04-28   更新日: 2024-12-25  

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