研究課題/領域番号 |
20K12583
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90030:認知科学関連
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研究機関 | 岩手県立大学 |
研究代表者 |
眞田 尚久 岩手県立大学, ソフトウェア情報学部, 准教授 (40711007)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | 多感覚統合 / 最尤推定モデル / 事象関連電位 / 視覚運動知覚 / 視聴覚統合 / 視覚運動 / 最尤推定 / 視聴覚 / 感覚統合 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、脳の中で異なる感覚情報がどのように統合されるかを、視聴覚刺激に対する脳活動を調べることにより明らかにする。視覚的には動いていないを見ていても、聴覚運動刺激を聞くと動いて見える(聴覚誘導性視覚運動知覚)ことが知られている。この現象が起こっている時の脳活動を計測し、被験者の知覚判断との相関を調べることで、多感覚統合の神経基盤とそのメカニズムを理解する。
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研究成果の概要 |
本研究では、聴覚誘発性視覚運動知覚が起こる時の脳活動を計測し感覚情報の脳内メカニズムを明らかにすることを目的とし,人の心理実験と脳波測定,及び多感覚統合モデルによる検証を行った. 研究期間内に主に2つの課題に取り組んだ.視覚運動弁別が聴覚刺激によって受ける影響を,心理物理実験により検証した.課題遂行中に定常状態視覚誘発電位(SSVEP)の計測を行い,聴覚刺激によるSSVEPの振幅変調を検証した.その結果,一部の脳波電極から,聴覚刺激による脳波への影響が確認できた.さらに,感覚統合モデルで説明できるかを検証し結果,最尤推定モデルによる推定ができたが,心理データが過小評価されることが分かった.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
私たちの認知は,異なる感覚情報が統合された結果だと考えられる.異種感覚情報が一致することで,より確からしい認知が生じる反面,感覚情報に乖離があると,感覚モダリティ間の相互作用によって錯覚や特殊な知覚が生じることもある.本研究の結果から,大脳皮質視覚システムにおいて,聴覚による脳活動の変調が生じていることが示唆された.また,そのメカニズムが感覚情報の重みづけ加算によってある程度説明できることが明らかになった.これらの知見は多感覚認知の様々な現象の理解の一助になると期待される.
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