研究課題/領域番号 |
20K12586
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90030:認知科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
高橋 佳代 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, 上級研究員 (90462697)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | aromatase / estrogen / ラット / マカクサル / PET / エストロジェン / オキシトシン / 分子イメージング / 霊長類 / ヒト / 自閉症スペクトラム |
研究開始時の研究の概要 |
自閉症スペクトラム(ASD)患者においては、オキシトシンを経鼻投与すると症状が改善されることが報告されている。この脳内メカニズムや社会性に関わる神経分子基盤を解明することを本研究の目的とする。Positron Emission Tomography (PET)を用いて、社会性をもつマーモセットを用いた動物モデルや、健常ヒトやASD患者での臨床試験を行い、ASDの原因解明、および治療法の探索の一助を担いたい。
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研究実績の概要 |
信頼、愛着、コミュニケーションなどに関わることが報告されているオキシトシンは、一部女性ホルモン(estrogens)から制御されている。我々はこのメカニズムを生体ヒトで明らかにするため、生体内分子の挙動を定量的に測定できるPET技術を開発している。本年度は、女性ホルモン産生酵素であるaromataseのPETプローブであるcetrozoleの18F標識アナログ体について研究を進めた。 我々は、これまでにリード化合物である[11C]cetrozole、その11C標識アナログ体である[11C]iso-cetrozole, [11C]nitro-cetrozole, [11C]meta-cetrozole、および18F標識の[18F]iso-cetrozoleの評価を行ってきた。[11C]Cetrozole, [11C]iso-cetrozole, [18F]iso-cetrozoleのいずれも、脳内aromataseに特異的に結合し、結合能も高いことが示された。今年度は、[18F]cetrozoleについて、ラット脳組織を用いたbinding assayおよびオートラジオグラフィーと、アカゲザルの生体PET試験を行い、その脳内aromataseへの結合能を測定した。その結果、[18F]cetrozoleもまた脳内aromataseへ高い結合能を持っていることが示唆された。また、18F標識の化合物は11C標識の化合物に比して、代謝耐性が高いことが示された。 以上のことより、11C/18F標識cetrozole/iso-cetrozoleは、生体脳内aromataseを定量することに適したPETプローブであることが示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
オキシトシン受容体をイメージングするPETプローブの開発については、オキシトシン受容体に特異的に結合する候補化合物を未だ探索中である。関連分子であるestrogenを産生する酵素であるaromataseをイメージングするPETプローブについては順調に開発が進んでいる。 しかしながら、COVID-19による大きな停滞により、当初予定していたヒトの臨床試験の実施は難しい。
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今後の研究の推進方策 |
今回の研究の総括を行う。[18F]Iso-cetrozoleおよび[18F]cetrozoleについて、データの精査、必要な場合は再解析、論文化を行う。また、新たにヒト臨床試験の可能性を探る。
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