研究課題/領域番号 |
20K12591
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90110:生体医工学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
臼井 章仁 東北大学, 医学系研究科, 講師 (90588394)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 死後画像診断 / 頸部圧迫 / 急死 / 縊頸 / 絞頸 / 扼頸 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、解剖することなく死後画像診断のみで頸部圧迫(首絞め)を診断することが目的である。法医学的に、頸部圧迫の有力な証拠として、甲状軟骨上角・舌骨といった「喉にある骨」の骨折がある。これらは、偶発性の外傷等で認められる頻度は少なく、つまりは犯罪性が疑われる所見である。しかし、これらの骨折の多くは、偏位や出血がわずかであり、画像での検出が難しい。そこで、甲状軟骨等のファントム模型を作成し、骨折検出に最適な撮影方法を模索し、深層学習を利用した骨折あり・なしの自動判定を試みる。これにより、現時点で客観的な頸部圧迫による死因診断の可能性向上と、ユビキタスな死因診断環境構築の可能性を示すことができる。
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研究成果の概要 |
本研究では、法医学的に、縊頸(首吊り、自殺・他殺を含める)による頸部圧迫が死因であった症例の死後CTについて研究を行いました。頸部のどの高さに頸部圧迫の痕(索溝、索条痕)が多く生じて、舌骨や甲状軟骨[喉仏(喉頭隆起)を形成する軟骨]のどの部分が骨折しやすいのか、さらに、死後CTによって明らかにできるのはどのような骨折であるのか調べました。 結果、索溝が頸部の正中(体の真ん中)において、甲状軟骨の喉頭隆起よりも頭側(上側)に位置することが多く、直径数mmの甲状軟骨上角部が前方に変形した骨折を生じていました。このような骨折を明らかにするには、頸部を後屈させるなど撮影方法が必要と分かりました。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
臨床(通常の病院診療)では、それほど関心の高くない骨格である舌骨・甲状軟骨、および縊頸といった、さらに臨床では、ほぼお目に掛かることのない遺体について、索溝の位置や甲状軟骨上角の骨折といった、死後CTで注目すべきキーポイントを少なからず明らかにできた。解剖医不足を補完する死後CTの需要は、今後高まることが予想されているが、これにより、臨床で撮影を行っているような、死後CTの経験の少ない従事者にも、撮影・読影の要訣を示すことができたと考えている。
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