研究課題/領域番号 |
20K12592
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90110:生体医工学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
三好 浩稔 筑波大学, 医学医療系, 講師 (70292547)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 造血幹細胞 / ストローマ細胞 / 三次元培養 / 共培養 / 臍帯血 / PVA / ティッシュ・エンジニアリング / 三次元共培養 |
研究開始時の研究の概要 |
臍帯血移植中に含まれる造血幹細胞を培養系で増やすことができれば、小児だけでなく成人への移植に幅広く適用できる。そこで、三次元培養系において臍帯血細胞を2回に分けて播種して培養することで、臍帯血中の造血幹細胞を効率的に増幅することを目的とする。最初の播種では、造血幹細胞の増幅を支持するストローマ細胞層を形成して造血微小環境を整えておき、さらに2回目の播種を行って培養することで、再播種した細胞中に含まれる造血幹細胞を増幅することを目指す。 本研究では、まずストローマの形成におよぼす各種刺激因子や処理方法を検討し、その後に造血幹細胞の再播種実験を行うことで、増幅のための最適条件を探索する。
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研究成果の概要 |
臍帯血移植への応用を目的として、三次元培養系において臍帯血中の造血幹細胞を増幅することを試みた。本研究では、自己臍帯血由来の材料が造血幹細胞の増幅に及ぼす影響について検討した。 まず、臍帯血中に含まれるストローマ細胞と臍帯血血漿が造血幹細胞の増幅に有効かどうかを調べたところ、ストローマ細胞の利用は困難であったのに対して、臍帯血血漿は増幅に有効であることがわかった。しかし、臍帯血中の血漿量は限られるため、培地に polyvinyl alcohol (PVA) を添加することで臍帯血血漿量を低減できる可能性について検討した。その結果、増幅が難しい条件下では PVA が有効であることがわかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
造血幹細胞移植の中で、臍帯血移植は一般的な骨髄移植に比べて細胞の採取が容易であり、ヒト白血球抗原のミスマッチに対して寛容であるという利点がある。しかし、採取できる造血幹細胞数が少ないため、成人への移植に応用するためには培養系において造血幹細胞を増幅する必要がある。この際、できるだけ安全性の高い方法で増幅する必要があることから、本研究では自己臍帯血由来の材料を用いて増幅を試みたところ、臍帯血血漿が有効であることが確かめられた。同成分は臍帯血の調製過程で廃棄される成分であることから、本研究の結果は、低コストかつ安全に造血幹細胞を増幅できる手法の確立に貢献すると期待される。
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