研究課題/領域番号 |
20K12593
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90110:生体医工学関連
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
菅原 路子 千葉大学, 大学院工学研究院, 准教授 (30323041)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | リンパ浮腫 / 脂肪細胞 / 肥大化 / 脂肪滴 / 線維化 / 脂肪酸 / ポリアクリルアミド弾性基板 / バイオメカニクス / 脂肪細胞の肥大化 / 脂肪細胞の繊維化 |
研究開始時の研究の概要 |
リンパ浮腫は,皮下組織へのリンパ液滞留により四肢に強いむくみをきたす疾患である.現時点において病態メカニズムは不明であり,完治を目指すための指針はない.リンパ浮腫患者の皮下脂肪組織は,肥大化かつ繊維化することが報告されており,それに伴う細胞外基質の弾性特性の変化がリンパ浮腫病態に及ぼす影響を考慮することも重要である.しかし,以上の複合的要因を考慮したリンパ浮腫の病態メカニズム解明への取り組みは皆無である.そこで本研究では,リンパ浮腫組織を模した化学環境および力学環境を考慮し,皮下脂肪組織の肥大化・繊維化メカニズムを解明する.さらには,リンパ浮腫完治のための指針を確立することを目指す.
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研究成果の概要 |
リンパ浮腫において,脂肪組織を構成する脂肪細胞の肥大化および線維化がおこると考えられるものの,そのメカニズムは明らかになっていない.そこで本研究では,脂肪酸が脂肪細胞の脂肪蓄積およびコラーゲン分泌に及ぼす影響を明らかにすることを試みた.その結果,脂肪酸の高濃度化は脂肪蓄積量の増加および脂肪滴の肥大化を引き起こし,リンパ浮腫による脂肪組織の肥大化を促進する可能性が示された.また,脂肪酸の高濃度化はコラーゲン量の増加を引き起こし,脂肪細胞へ分化中の前駆脂肪細胞のコラーゲン構造を変化させることで,脂肪組織の線維化を促進することが示唆された.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
リンパ浮腫は,リンパ節切除を伴う婦人科がん手術後の患者に多く発症し,ひとたび発症すると完治しない.そのため,がんサバイバーのQOL 向上には,リンパ浮腫治療法の確立が必須である.本研究では,皮膚下の脂肪組織を構成する脂肪細胞において,脂肪酸が肥大化および線維化メカニズムにおよぼす影響を明らかにした.この結果は,リンパ浮腫患部にみられるむくみや線維化に対する治療法の確立にあたり重要な知見であり,リンパ浮腫治療法確立の観点から本研究成果の学術的意義および社会的意義は大きい.
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