研究課題/領域番号 |
20K12596
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90110:生体医工学関連
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研究機関 | 金沢工業大学 (2022) 名古屋大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
平田 宏聡 金沢工業大学, バイオ・化学部, 教授 (90414028)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | メカノバイオロジー / 焦点接着斑 / アドヘレンスジャンクション / FAK / アクトミオシンファイバー / 組織伸展 / 細胞増殖 / 上皮細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
生体活動や外部環境からの力学介入などで生体内の組織は絶えず変形を受けている。そのような組織変形は細胞の局所密度を変化させるが、変形に応答して細胞増殖、細胞死、細胞排除などが誘導されることで一定の細胞密度が維持されている。本研究では、上皮組織の伸展による上皮細胞の増殖誘導をモデルとして、伸展で生じる「細胞―基質間接着」および「細胞―細胞間接着」の引張力を区別して評価し、それぞれの引張力が細胞増殖の制御にはたす役割を明らかにする。これにより、上皮組織の様々な変形様式に対する細胞増殖応答を「細胞―基質間接着」と「細胞―細胞間接着」の引張力バランスから説明・予測できるモデルを構築するための基盤を得る。
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研究成果の概要 |
組織中の細胞増殖は組織の変形に応答して制御されていることが近年の研究により明らかにされてきた。組織の変形によって細胞―細胞外基質間および細胞―細胞間の接着構造にかかる力学的負荷は変化するが、これら接着構造の力学状態が組織変形時の細胞増殖制御に果たす役割の詳細は不明であった。本研究では培養単層上皮において、細胞増殖が組織の伸展変形に影響されないよう調節されていることを見出すとともに、この調節が細胞外基質との接着構造である焦点接着斑への引張負荷によるFAKを介した増殖促進効果と細胞間の接着構造であるアドへレンスジャンクションへの引張負荷による増殖抑制効果との拮抗によっていることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、上皮細胞の増殖制御における焦点接着斑引張力とアドヘレンスジャンクション引張力の役割を、伸展変形時の単層上皮中で分離同定することができた。今後、それぞれの接着構造の力学状態を個別に操作する手法を開発できれば、上皮組織における細胞増殖の人為的コントロールが可能となり、再生医療に資する人工組織の効率的作製・培養法や上皮性がんの新規治療法の開発へつながることが期待される。
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