研究課題/領域番号 |
20K12613
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90110:生体医工学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
高山 祐三 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 主任研究員 (60608438)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 自律神経 / 心筋 / ヒトiPS細胞 / 生体モデリング / 心筋細胞 / 交感神経 / 副交感神経 / ヒト多能性幹細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
我々の内臓は自律神経系を構成する交感/副交感神経の拮抗作用による機能制御を受けており、それゆえに自律神経作用の恒常性が破綻することで不整脈等の疾患が誘起されます。そこで自律神経作用により内臓機能を制御・破綻に導く詳細なメカニズム解析、および疾患状態に対する創薬が求められます。そのためには生体外において自律神経作用を再構成する神経誘導・培養技術の確立が必須であります。本研究ではiPS細胞等のヒト多能性幹細胞から自律神経と心筋細胞を作製し、それらを共培養したモデルを構築することで、自律神経シグナル変化による心筋機能への影響を評価可能な実験システムを構築することを目指します。
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研究成果の概要 |
本研究ではまず自律神経sphereの作製を行い、遺伝子発現評価により、交感神経/副交感神経sphereの作製を確認できた。次に、自律神経sphereと心筋組織の共培養系構築を行った。自律神経sphereとの共培養を行った心筋組織において、神経刺激による心筋活動変化を観測することができ、自律神経sphereと心筋組織の機能的な結合を確認した。更に、共培養系を用いた心筋毒性解析を行い、末梢神経障害と催不整脈作用を有するある種の抗がん剤は神経障害を介して心筋活動に影響を与えることを示唆する結果が得られ、本共培養システムの有用性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究課題ではヒト心筋組織と自律神経sphereを共培養することで、自律神経-心筋組織において機能的な結合・相互作用が構築されること、および自律神経を介した心毒性をアッセイ可能な培養アッセイ系となりうることを示した。生体においては自律神経作用により臓器機能の調整や臓器間相互作用が行われており、自律神経作用を再現した培養系は次世代の創薬アッセイ系として貢献することが期待できる。また、細胞組織機能を自律神経シグナルにより人為的に制御するための自律神経活動の計測・制御インターフェース構築の先には、ヒト自律神経系への機械的な介入による生体モニタリング・次世代治療への貢献が期待される。
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