研究課題/領域番号 |
20K12615
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90110:生体医工学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
木野 彩子 東北大学, 医工学研究科, 学術研究員 (30536082)
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研究分担者 |
松浦 祐司 東北大学, 医工学研究科, 教授 (10241530)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 血中脂質 / 無侵襲 / 中赤外分光 / PLS回帰 / 非侵襲血中脂質濃度計測 / 中赤外ATR / 皮膚の赤外吸収スペクトル / 非侵襲測定 / 中赤外ATR分光 / 血中脂質濃度 |
研究開始時の研究の概要 |
脂質代謝異常症の予防を目的とした簡便な健康管理に向け,採血不要の無侵襲血中脂質モニタリングシステムを構築する.指先などの「体表部位」の赤外分光測定を行うことにより,全血中の中性脂肪やコレステロール濃度の推移を予測する.複数のボランティアの協力により,摂食前後の吸収スペクトルの変化を体表部と全血の両方について追跡し,双方を比較することにより,脂質成分ごとの代謝に係る機序や末梢血管-体細胞間の輸送時間についてのデータの蓄積を試みる.これらの結果を用いて,脂質代謝機序の解明を試みると共に,採血を伴わない無侵襲血中脂質濃度測定方法の確立を目指す.
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研究成果の概要 |
無侵襲での血中脂質濃度計測を目的とし,中赤外減衰全反射(attenuated total reflection : ATR)法をベースとする光学的手法を用いて,ヒト皮膚表面の赤外吸収スペクトルを取得し,スペクトルからの多変量解析による血中脂質濃度予測を試みた.血中TG濃度の一個外し交差検証によるPLS予測では実測値との相関係数は0.6程度,血中LDL/HDLコレステロール濃度においては実測値との相関0.8以上と比較的良好な結果を得た.異なる被験者間での回帰直線や各吸収波数の寄与度の一致も確認された.さらに各コレステロールに関しては,精度は不足するものの単一の吸収強度からの予測可能性を示した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
無侵襲での血中脂質濃度計測を目的とし,中赤外減衰全反射(attenuated total reflection : ATR)法をベースとする光学的手法を用いて,ヒト皮膚表面の赤外吸収スペクトルを取得し,スペクトルからの多変量解析による血中脂質濃度の予測を試みた.皮膚表面のスペクトルにおいて摂食前後で変化の大きい吸収波数,また血中濃度PLS予測において寄与度の高い吸収波数に着目することにより,各脂質成分の代謝の過程を考察することができた.交差検証の結果,脂質成分によっては高い精度で堅牢な予測可能性を示し,「未病」の観点からも社会的要望の高い血中成分の無侵襲測定の実現に向け前進したといえる.
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