研究課題/領域番号 |
20K12636
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90110:生体医工学関連
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研究機関 | 津山工業高等専門学校 |
研究代表者 |
細谷 和範 津山工業高等専門学校, 総合理工学科, 教授 (60509107)
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研究分担者 |
竹内 一裕 独立行政法人国立病院機構岡山医療センター(臨床研究部), 独立行政法人国立病院機構 岡山医療センター(臨床研究部), 整形外科医長 (30304306)
小野 敦 川崎医療福祉大学, 医療技術学部, 教授 (20804743)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | MRI / 流動ファントム / 脳脊髄液 / 流れの可視化 / 数値シミュレーション / AI / 機械学習 / 粒子画像流速測定法 / 時間分解撮像 / 摂動流 / ファントム |
研究開始時の研究の概要 |
頭蓋内の脳室内で生成される脳脊髄液は脊髄を取り巻くくも膜下腔を流れながら体内に吸収されるとされているが,その詳細は明らかでない.近年,MRIの時間分解撮像により摂動する脳脊髄液の流れを非侵襲的に観察することができるようになったが,MRI画像から流れの特徴や圧迫の程度,脳脊髄液の組成変化を定量的に把握することは依然として難しい.本研究では脊柱管内の構造を模したシンプルな実験装置(流動ファントム)を開発し,疾患をモデル化した圧迫等を与えて拍動に伴う流れパターンや物質循環,液圧の変化を実験的に調べ,MRI撮像画像からこれらの諸量を推算する方法を得ることを試みる.
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研究実績の概要 |
本年度は,前年度に製作したCSFファントムに,脊髄疾患を想定した圧迫を与え,ファントム内を過ぎる水塊の挙動を誘起蛍光剤と時間分解撮像が可能なMRIにより可視化した.併せて,ボランティア(成人男性)のMRI画像を用い,ファントムが作り出す流れの評価を行った.また,MRI画像に基づく機械学習により流れの推論が可能かどうか調べ,ここまでの成果を学会等で報告した. 実験に使用したCSFファントムは,二重円管構造のシリコンチューブ製で,内部は水道水で満たされている.ファントムは空圧ベローズアクチュエーターにより周期的に加減圧される樹脂製の水タンクに接続され,4秒周期の往復流を発生する.実験では,ファントムをヒトの背骨の湾曲に合わせた型に収め,椎間板ヘルニアやすべり症などの脊髄疾患を想定した圧迫を与えた.流れ場の観察には,誘起蛍光剤(フルオレセイン溶液)による可視化手法と,タグ水塊の移動を時間分解撮像することができる2D Time SLIP法によるMRI撮像が用いられた.はじめに,MRIを用いてファントム内を過ぎる水塊の動きとボランティアによるヒトのCSFの動きを比較したところ,ファントムが作り出す流れはヒトと同様に,上流部において数センチメートルの往復運動が生じ,末端部では殆ど動かない様子が観察された.続いて,ファントムに外部から脊髄疾患を想定した圧迫を与え,誘起蛍光剤を用いて圧迫部を過ぎる流れの特徴や水塊混合の様子を観察したところ,閉塞部を迂回する往復移動の様子が観察されたほか,圧迫に伴い水塊混合が弱まる様子が観察された.以上の流れの特徴は2DのMRIでは明瞭に捉えることができなかったが,閉塞部を過ぎる流れ場におけるMRI画像の描写特性を把握することができた.一方,機械学習による圧迫部を過ぎる水塊画像から,圧迫の程度や流速分布を推論することは困難であった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度も新型コロナウイルスの感染拡大の影響により,実験室での活動や病院でのMRI撮像が制限されたが,初年度に製作したCSFファントムを用いて,内部を通過する水塊の流動をMRIにより撮像し,圧迫を与えた際の流動を可視化することができた.さらにボランティアによるヒトのCSFの流動との比較を行うことができた.一方で,二年目に実施した機械学習による流れの推論は進展せず,国内学会等で成果を報告したものの,論文による報告が達成できなかった.
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今後の研究の推進方策 |
3年目までに得た成果を学会等で報告するとともに,十分な結果が得られなかった機械学習によるファントム内を過ぎる流れの推論について,さらなる実験を行う.機械学習による流れの推論は非常に難しい課題であるが,Time-SLIP法によるMRIは移動水塊をグレースケールの濃淡画像として出力するため,流れの特性が比較的少ない情報量に収めれている可能性がある.ファントムによる水塊画像と流速分布や圧力等と紐付けすることができれば,疾患を有するヒトへの応用が期待できる.
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