研究課題/領域番号 |
20K12639
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90110:生体医工学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
丸山 修 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 総括研究主幹 (30358064)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 人工心臓 / 血液 / せん断応力 / 血栓 / 出血 / 溶血 / 血液凝固反応 / 血液凝固因子 / 人工臓器 / 血栓形成 |
研究開始時の研究の概要 |
人工心臓は、機械式の血液ポンプであり、ポンプ内のインペラと呼ばれる羽根車が高速回転することにより、血液は送血される一方で、非生理学的高せん断応力が発生する。このような高せん断応力下では、生体内とは異なる血栓形成または出血現象が生じることがある。血栓と出血は、血液中の複数のタンパク質の相互作用による血液凝固反応によって引き起こされている。現状では、せん断応力のような物理的要因が、どのような機序を経て生化学的な血 液凝固反応に関与するのか、その包括的なメカニズムはほとんどわかっていない。本研究は、このようなせん断応力応答因子を同定し、せん断応力に対する血液凝固反応機構を明らかにするものである。
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研究成果の概要 |
本実験計画で予定していた最高せん断応力120Paを、安定して血液試料に負荷することに成功した。また、本研究課題の一つであった血液試料に対する空気の巻き込みを防ぐことに成功した。さらに、ヒト血、ウシ血およびブタ血について、血小板系、線溶系および凝固系に関連する全29のマーカー評価を網羅的に行い、ウシ血液においては、凝固系のマーカーであるフィブリン・フィブリノゲン分解生成物、Dダイマー、フィブリンモノマーと、線溶系のマーカーであるプラスミノーゲン活性(PLG)以外の全マーカーが、ブタ血においてはPLG以外の全マーカー がヒト血と同様に評価できることが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究による成果として、血液にせん断応力を負荷する新たなせん断負荷装置を開発することに成功した。これは、血液にせん断応力を負荷する際に、空気の血液への巻き込みを防止するものである。空気の巻き込みが、血液凝固反応に大きな影響を及ぼすことが判明したため、本実験計画で予定していた最高せん断応力120Paを、空気を巻き込むことなく安定して血液に負荷する必要があった。また、ウシ、ブタ、ヒトと、種差の異なる血液試料において、血液凝固因子が正確に計測できるかを比較し、その正確性を確認することができた。これらは、人工心臓装着患者の出血および血栓合併症を防ぐために、重要な解析手法である。
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