研究課題/領域番号 |
20K12643
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90120:生体材料学関連
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
田中 隆志 東京農工大学, 農学部, 産学官連携研究員 (00868200)
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研究分担者 |
中澤 靖元 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (20456255)
朝倉 哲郎 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 名誉教授 (30139208)
田中 綾 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (70334480)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 間質血管細胞群 / シルクフィブロイン / 人工血管 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、シルクフィブロイン(silk fibroin:SF)製人工血管を再生医療における足場材料とし、体内での血管組織の再生を実現することを目的とする。これまで研究してきたSF製人工血管に脂肪組織から脂肪細胞を除いた間質血管細胞群(stromal vascular fraction:SVF)を併行して使用することで、脂肪前駆細胞が有する分化能や増殖因子の分泌能の効果が付与され、血管組織の再生スピードを格段に加速させることが可能になる。そして、SF製人工血管の分解とともに自己血管に置換されることによって、これまで人工血管が不適であった肝胆膵癌の血管再建手術への適応が期待される。
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研究成果の概要 |
本研究において、シルクフィブロイン製人工血管は静脈に使用しても、移植後に自己組織にリモデリングする能力の高い人工血管であるということが判明した。自己血管へのリモデリングが進めば感染にも強くなるため、肝胆膵領域における人工血管としては有用であることが考えられた。 また、間質血管細胞群の最適な採取部位を評価することを目的とし、腹部皮下脂肪、肝鎌状間膜および卵巣周囲脂肪を採取した。卵巣周囲脂肪には他の部位に比べてより多くの間質血管細胞が含まれていて、活性が高い事が示された。このことから、実際の人工血管の移植を行うにあたり、より最適な部位から間質血管細胞を採取することが可能となった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
肝がんおよび膵癌などが静脈に浸潤している症例では血管の切除および再建が必要となるケースは多く、その再建には自家静脈や凍結保存静脈が用いられてきたが、代替血管の確保に苦慮している。人工血管は事前の準備を必要とせずに使用できるが、感染や石灰化のリスクが高いため使用が敬遠されている。本研究で作製したシルクフィブロイン人工血管は静脈へ移植後に石灰化を起こすことはなかった。また、移植後に自己血管へとリモデリングする能力を発揮したことからも感染に強い人工血管であることが示された。
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