研究課題/領域番号 |
20K12649
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90120:生体材料学関連
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
黒崎 友亮 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(薬学系), 助教 (00582016)
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研究分担者 |
佐々木 均 長崎大学, 熱帯医学研究所, 特命教授 (00170689)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | ナノ粒子 / 核酸医薬品 / 肝線維症 / ドラッグデリバリーシステム / siRNA |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、難治性の肝線維症に対する新たな治療技術として、siRNAを搭載した肝指向型三元複合体の開発を行う。 まず、生体分解性の高分子や脂質を用いて、siRNAを肝臓選択的に送達することが可能な肝指向型三元複合体を開発する。開発した三元複合体の肝臓における蓄積性や遺伝子抑制効果、毒性を評価し、製剤開発にフィードバックすることで、三元複合体の最適化を図る。 さらに、最適化した肝指向型三元複合体に抗線維化作用を有するsiRNAを搭載し、肝線維症モデル動物に投与することで、三元複合体の抗線維化効果を評価する。 得られた知見をまとめ、肝指向型三元複合体を用いた肝線維症の治療指針を構築する。
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研究成果の概要 |
本研究ではsiRNAを内包した肝指向型の三元複合体を用いた新たな肝線維症の新規治療法の開発を試みた。siRNAに様々な正電荷化合物を結合させ、さらに肝臓への指向性を有するグリチルリチン酸を結合させた肝指向型三元複合体を作製した。培養細胞を用いてsiRNAの導入効果が高い製剤を選択し、TGF-βのsiRNAを内包した肝指向型三元複合体をマウスに静脈内投与することで、肝臓におけるTGF-βの発現を有意に抑制することに成功した。さらに研究を発展させ、安全な肺指向型の複合体を開発し、TGF-βのshRNAを内包した肺指向型複合体を用いて肺線維症モデルにおける繊維化を顕著に抑制することにも成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
肝線維症や肺線維症に対しては根治的な治療技術は未だ開発されておらず、盛んに研究がなされている。siRNAやshRNAを発現するpDNAなどの遺伝子・核酸医薬品も盛んに研究されているが、遺伝子・核酸医薬品を標的となる肝臓や肺に選択的に導入できるdrug delivery systemの開発が不可欠である。本研究では非常に効果や選択性の高い肝指向型三元複合体と肺指向型複合体の開発に成功し、肝臓や肺におけるTGF-βの発現を抑制することに成功した。この技術は他のsiRNAやpDNAにも応用可能であり、肝線維症や肺線維症の新しい治療技術となり得ると考えられる。
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