研究課題/領域番号 |
20K12652
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90120:生体材料学関連
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研究機関 | 東京薬科大学 |
研究代表者 |
高島 由季 東京薬科大学, 薬学部, 准教授 (70236214)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | siRNA delivery / 網膜 / ナノ粒子 / リポソーム / 点眼 / 網膜色素上皮細胞 / siRNA / 血管内皮増殖因子 / ヒアルロン酸 / 多機能性ペプチド / 点眼剤 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の将来的目標は、中途失明原因の上位となる網膜疾患の発症に関わる新生血管因子等の産生を阻害する核酸(siRNA)を搭載し、低侵襲的な薬物治療及び予防効果を発揮する後眼部指向型ナノ粒子点眼剤の開発である。網膜への薬物送達は、血液網膜関門や角膜等の高度な生体バリアで厳しく制限されるため一般的な点眼や静脈注射の適用は困難とされる。本研究では、網膜への指向性及び集積性、生体適合性や保存安定性の向上が期待されるヒアルロン酸を修飾したsiRNA搭載リポソーム点眼剤を調製する。粒子特性、In Silico解析等による粒子構造予測、網膜への標的化特性等を検討し、調製プロセス及び製剤処方の最適化をはかる。
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研究成果の概要 |
網膜疾患に対する低侵襲的治療及び予防を可能とするナノ粒子点眼剤の設計に向け、粒子構造特性(表面電位、組成等)の評価ならびにラット点眼後の眼内移行性等の検討に基づく調製プロセス及び製剤処方の最適化を目的とした。網膜に高発現するCD44受容体を指向するヒアルロン酸を修飾した核酸(siRNA)搭載ナノ粒子(リポソーム、高分子ナノミセル)として適切な調製プロセスを確立した。また、多機能性ペプチドを修飾したナノ粒子において、粒子表面とペプチド鎖の双方にsiRNAが搭載される構造と予測される粒子組成とすることで、点眼後の網膜移行性向上及びsiRNAによる有意な標的タンパク質阻害効果を発揮することを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究において、完治に至る薬物療法がない網膜疾患に対し、薬物送達の妨げとなる血液網膜関門等の高度なバリア機能を回避し、網膜まで到達し得るナノ粒子担体を再現性良く提供する核酸搭載ナノ粒子点眼剤の調製プロセスと処方を、粒子構造・物性評価、眼内組織移行性と粒子素材との関連性に基づき設定した。本研究での知見は、従来の硝子体内注射による薬物療法に比べ、患者による自己管理・自己投与が可能でQOL及びアドヒアランスを向上する低侵襲的点眼剤創出のための基盤となることが期待される。
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