研究課題/領域番号 |
20K12657
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90120:生体材料学関連
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研究機関 | 昭和薬科大学 |
研究代表者 |
浅井 大輔 昭和薬科大学, 薬学部, 准教授 (10423485)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 抗菌ペプチド / DDS / 注射ゲル / エラスチン / 生分解性ポリマー / 薬剤耐性菌 / デポ製剤 / 創剤 / 抗微生物薬 / 人工エラスチン / ポリペプチド / 感染症 / バイオテクノロジー |
研究開始時の研究の概要 |
ペプチド性の抗微生物薬は、多剤耐性を獲得した病原体への切り札的存在として、その数は少ないものの重要な位置付けにある。しかし、ペプチド性化合物は経口投与では消化管吸収が悪く、一方で注射投与では代謝が速く体外に排泄され易く、また大量調達が困難といった問題点を抱えている。本研究では、種々の異なる阻害様式をもつ抗微生物ペプチドを種々のタンパク質分解酵素の切断配列を介して鎖状化したキメラポリペプチドと、生体吸収性人工エラスチンとを合理的にハイブリッドさせて安定化した「人工多機能性バイオポリマー」を分子設計する。多価効果により最も薬効を発揮する組合わせを考究し、抗微生物薬の創剤面からの新奇開拓を行う。
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研究成果の概要 |
感染症治療薬としてのペプチドの有効性は広く認識され、病原微生物に親和性を有するペプチドが継続的に報告されている。本研究では、種々の異なる阻害様式をもつ抗微生物ペプチドをプロテアーゼ切断配列を介して鎖状化したキメラポリペプチドと、生体吸収性人工エラスチンとを合理的にハイブリッド化した、「人工多機能性バイオポリマー」を設計・調製した。その特性解析の結果、細菌を培養した培養液で前処理すると抗菌活性が著しく増強する人工多機能性バイオポリマーを見出した。非感染部位では作用させず、感染局所でのみ抗菌作用を発現させることができる、細菌感染部位特異的な薬物送達システムへの展開が期待される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
英国の薬剤耐性レビュー委員会の試算による「細菌感染症に対して対策を取らなければ、2050年には全世界において耐性菌による死者数は年間1,000万人にのぼり、1,000兆ドルの損失になる」との報告は、臨床医をはじめ感染症治療薬の開発に関わる全ての者が共有している。費用対効果の面から、新薬開発の基礎研究には民間企業が着手しにくい状況が続いている。本研究は、ペプチド創薬が抱える薬物送達の問題解決戦術として、多価効果を発揮できる遺伝子工学技術を用いた人工多機能性バイオポリマーにその打開の糸口を求めたものであり、この研究成果は、抗菌ペプチド開発の基礎研究シーズに関するアカデミアからの情報発信である。
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