研究課題/領域番号 |
20K12665
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90130:医用システム関連
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
蜂屋 弘之 東京工業大学, 工学院, 教授 (90156349)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 超音波医学 / 定量診断 / shear wave / エラストグラフィー / 組織鑑別診断 / レイリー分布 / 肝炎 / びまん性肝疾患 |
研究開始時の研究の概要 |
○生体組織の複数の音響特性を指標とした慢性肝疾患の超音波定量診断学の確立 年間数万人が死亡する肝疾患は我が国の医療分野における主要な対象であり,特に肝線維化は肝発癌と密接に関連している。本研究では,慢性肝疾患により変化する複数の超音波生体組織の音響特性を用いて,臨床的に十分なロバスト性を持つ非侵襲な慢性肝疾患の定量診断手法を確立し,超音波定量診断学を構築することが本研究の目的である。
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研究成果の概要 |
慢性肝疾患の定量診断を目的に,肝組織の病変進行による超音波散乱特性変化とせん断波の伝搬特性変化を解析し,初期病変から安定に定量化診断できる手法について検討を行った。散乱波を用いる診断では,複数のレイリー分布を組み合わせて散乱波の振幅確率密度関数をモデル化し,病変変化に感度の高い分布関数の非整数次モーメントを用いることで,初期病変の検出精度を高めることが可能になった。せん断波を用いた定量診断では,生体組織中を伝搬するせん断波の伝搬速度・減衰の周波数特性を,せん断波の複素波数を用いて解析し,生体組織の病変変化に伴う粘弾性特性を求めると,初期病変を精度良く求めることができることが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
われわれは,音響的構築が変化するとどのような信号変化が生じるのかを詳細に検討し,複数の音響特性を融合することで,組織線維構造の情報を抽出する新しい定量診断技術を開発してきた。しかし,初期病変の検出精度は不十分であった。本研究では,病変の進行による生体組織の音響的変化と超音波信号の関係を複数の方法で詳細に検討し,初期病変検出精度を向上させることができた。この成果は,「超音波定量診断学」の確立に寄与し,超音波医学分野の進歩に貢献している。
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