研究課題/領域番号 |
20K12670
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90130:医用システム関連
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研究機関 | 順天堂大学 (2021-2022) 徳島大学 (2020) |
研究代表者 |
佐光 亘 順天堂大学, 医学部, 准教授 (60581155)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 筋萎縮性側索硬化症 / バイオマーカー / MRI / fMRI / MRS / 一次運動野 / 補足運動野 / 感覚運動ネットワーク / ALS / 安静時機能的MRI / 構造的MRI / 診療支援システム / 診断支援システム / グルタミン酸 / N-アセチルアスパラギン酸 / NAA / ネットワーク |
研究開始時の研究の概要 |
筋萎縮性側索硬化症の正確な早期診断と客観的モニタリングは、実際の臨床のみならず、信頼性の高い臨床試験の遂行においても重要であり、それをサポートするシステムが必要とされている。新たな筋萎縮性側索硬化症診断・モニタリング支援システム構築を目指して、以下の研究項目を予定している。 ①安静時脳機能MRIを用いた筋萎縮性側索硬化症に関連する病的な脳機能ネットワークの同定。 ②その他のMRIバイオマーカー(大脳皮質の厚さ、apparent diffusion coefficient値、b0画像の信号強度、皮質脊髄路の仮想線維数)の診断・モニタリング能力の評価。 ③上記方法を統合した筋萎縮性側索硬化症診断・モニタリング支援システム構築。
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研究成果の概要 |
筋萎縮性側索硬化症 (ALS)における客観的な診断・モニタリングは臨床試験にとって重要である。我々は、脳内ネットワークとそれに関連するMR spectroscopy・MRI・血液バイオマーカーが新たな診断・モニタリング支援システム構築の基盤になりうるという仮説を持っている。補足運動野のグルタミン酸濃度の増加とN-アセチルアスパラギン酸濃度の減少を報告し、血清神経フィラメント軽鎖濃度は病初期でもALS診断に優れることを明らかにした。診断基準を満たさない場合でも一次運動野容量の低下を検出でき、これらはALS診断の補助として期待される。上記萎縮が感覚運動ネットワークの過活動と関連することも見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
筋萎縮性側索硬化症 (ALS)における補足運動野のグルタミン酸/N-アセチルアスパラギン酸 (NAA)比の上昇は、ALSの神経興奮毒性仮説に矛盾しないグルタミン酸の上昇、神経細胞減少と関連するNAA減少を統合したバイオマーカーとなりうる可能性がある。進行期だけではなく、早期のALSでも血清神経フィラメント軽鎖濃度減少が診断に有用なことも証明でき、早期診断のバイオマーカーとしてのエビデンス構築にも寄与できた。一次運動野容量の減少、全灰白質容量の経時的減少も報告でき、上記報告と併せALS診断・モニタリングシステム構築へ近づくことができた。
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