研究課題/領域番号 |
20K12688
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90130:医用システム関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
樋口 政和 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 特任助教 (30570254)
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研究分担者 |
徳野 慎一 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 特任教授 (40508339)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 認知障害 / デュアルタスク / 音声 |
研究開始時の研究の概要 |
高齢化社会において認知症の有病率が増加しており早期発見と予防的治療が重要である。これまで申請者らは声から病気を診断する技術の研究を行ってきており、認知症の推定も可能にしている。音声による評価はほぼ非侵襲であり簡便に行えるという利点がある。しかしながら、重度の認知障害に対しては有効であったが軽度認知障害(MCI)に対しては良い精度とは言えなかった。一方、一度に二つのことを同時に行うデュアルタスクが認知症検知に有効という報告がある。そこで本研究では、デュアルタスク時の生理データと音声を組み合わせることでMCIを精度良く検出する手法を提案すると同時に重度の認知障害検出の検証も行い精度改善を図る。
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研究実績の概要 |
高齢化社会において認知症の有病率が増加しており早期発見と予防的治療が重要である。また、認知症の初期症状はうつ病と似ており初期診断が困難な場合が多い。疾患のスクリーニング手法として、MMSEによる認知能力検査が一般的であるが、医師等が行わなければならず手軽とは言えない。これまで申請者らは声から病気を診断する技術の研究を行ってきており、重度認知症の推定も可能にしている。音声による評価はほぼ非侵襲であり簡便に行えるという利点がある。しかしながら、軽度認知障害(MCI)に対してはまだ十分な精度が得られていない。一方、一度に2つのことを同時に行うデュアルタスクが認知症検知に有効という報告がある。そこで本研究では、デュアルタスク時の音声からMCIを精度良く検出する手法を提案することを目的とする。 2022年度は、前年度に引き続き2020年度に取得した高齢者の音声を用いて健常群とMCI群の判別器を提案した。本研究では、計算をシングルタスク、歩きながら計算をデュアルタスクとしており、まずはシングルタスクでの音声からの判別器作成に取り組んだ。100から7を順次引いていく計算を暗算で行いその答えを発声した音声と、その答えを予め紙に印刷しておきそれを単に読み上げた音声を録音した。それらの音声から特徴量を算出し、計算音声からの特徴量と答え読み上げ音声からの特徴量の差分値を用いることで比較的精度の良い判別器を実現できた。この判別器の精度を、2021年度に取得した検証用の音声を用いて検証した。また判別器の更なる精度検証のため、追加で新たな音声を取得した。追加の音声も含めた精度検証の結果、約6割の正解率で健常群とMCI群を判別できた。 また、認知症とは別の疾患に対しても音声からの判別器を提案しており、そのノウハウを認知症判別器にフィードバックし判別精度の向上を図っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
シングルタスク時の音声から健常群とMCI群を比較的精度良く判別する判別器を提案し、その精度を検証するための新規音声を取得した。研究計画の段階で想定していた数の検証データを集めることができ、学習データとは異なる母集団から取得した検証データにおいて約6割の精度を得たことはある意味チャレンジングな成果であった。従って、概ね当初の計画通り順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
従来研究では見られないチャレンジングな成果が得られたとはいえ、約6割の正解率は決して良い精度とは言えず、学習アルゴリズムの工夫が必要である。今後は、音声特徴量を見直し、特徴量の性質に適した学習アルゴリズムを提案することで判別器の精度向上を図る。それと並行して、デュアルタスク音声からの判別器の作成にも取り掛かる。
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