研究課題/領域番号 |
20K12689
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90130:医用システム関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
石川 卓哉 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (00792649)
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研究分担者 |
大野 栄三郎 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院講師 (00447822)
川嶋 啓揮 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (20378045)
藤城 光弘 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (70396745)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 膵癌 / 人工知能 / 超音波内視鏡 / 超音波用造影剤 / 機械学習 / 超音波内視鏡下穿刺生検 / 超音波内視鏡検査 / 造影超音波検査 |
研究開始時の研究の概要 |
膵癌は早期発見が困難な上に進行が早く、極めて予後不良である。超音波内視鏡検査(EUS)は体の表面からの超音波検査と違って消化管の空気や脂肪などの影響を受けにくく、小さな膵癌の診断にも有用とされる。近年では超音波用造影剤を組みあわせることで血行動態などさらに詳細な評価も可能となった。しかし、EUSは検査の特性上主観性が高く、術者の技量や経験によるところが大きい。一方、消化器内視鏡画像を用いた人工知能(AI)診断の有用性が報告されており、EUSの分野でも応用が期待される。本研究では、EUSで得られた画像をAIに機械学習させることで術者の技量や経験の差を軽減し、膵癌診断における新たな診断体系の確立を目指す。
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研究実績の概要 |
膵癌の予後改善のためには早期発見と適切な診断が必須である。画像診断技術の進歩により、膵臓の小腫瘤性病変が発見されるようになってきたが、良悪性診断は容易ではない。研究代表者らはこれまでに膵腫瘤の診断における、EUSに超音波用造影剤を組み合わせた造影EUSの有用性について報告してきた。しかし、EUSは主観性が高く、術者の技量や経験によるところも大きい。本研究では、造影EUSで得られた画像を人工知能(AI)に機械学習させることで術者の技量や経験の差を軽減し、膵腫瘤診断における新たな診断体系の確立を目的とした。 現在までに膵癌58例、非膵癌61例の合計119例の画像データを集積し、研究協力者である名城大学電気電子工学科の力を借りて機械学習による解析を行った。機械学習には、Attentionを使用したV-Netという手法を用いて学習・検証・テストを行った。3回の交差検証による膵癌・非膵癌の自動診断の感度、特異度、正診率の平均は、それぞれ83.3%、88.9%、86%であった。今後Attentionで重要視する領域を再分析、改善させることで、さらなる診断能向上が期待される。 令和3年度から4年度にかけては膵病変に対するEUSガイド下穿刺生検(EUS-FNB)におけるAIの有用性についても検討を行った。膵疾患に対して22Gフランシーン形状針を用いてEUSFNBを施行し、検体採取直後に実体顕微鏡で撮影を行った96例173検体を対象とし、機械学習の一つである対照学習を用いた、膵疾患におけるEUS-FNB検体の新たな評価法の開発を目的とした。対照学習を用いた8分割交差検証(学習13時間、推論11分)による自動診断の感度、特異度、正診率の平均は、それぞれ90.34%、53.5%、84.39%であり、EUS熟練者による肉眼的判定と同等、もしくはそれ以上の診断能を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
造影EUSの症例数としては当初の目標であった膵癌、非膵癌合計100例に対し、合計119例の症例を集積できた。 また、膵臓に対する造影EUS以外の検討として、EUSガイド下穿刺生検(EUS-FNB)における人工知能(AI)の有用性についても症例の集積、研究を行い、全国学会で発表するとともにその内容を論文化することができた。 機械学習による解析についても名城大学電気電子工学科の協力のもと、解析をすすめており、概ね順調に進展していると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
AIを用いた造影EUSによる膵腫瘤性病変に対する良悪性診断能の検討については、解析結果を令和3年4月に日本消化器病学会総会で発表した。今後さらに症例を集積し、論文化を目指す。 EUSガイド下穿刺生検(EUS-FNB)で得られた検体の実体顕微鏡写真に基づく機械学習による解析結果については、令和3年9月の日本膵臓学会大会、および令和4年5月の日本消化器内視鏡学会総会にてdeep learningを用いた解析結果について発表した。現在名城大学の協力のもと、新たな手法を用いた解析を検討している。
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