研究課題/領域番号 |
20K12736
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90150:医療福祉工学関連
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研究機関 | 徳島文理大学 |
研究代表者 |
藤澤 正一郎 徳島文理大学, 理工学部, 教授 (50321500)
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研究分担者 |
河田 淳治 徳島文理大学, 理工学部, 講師 (00248329)
森本 滋郎 徳島文理大学, 理工学部, 准教授 (40309696)
伊藤 伸一 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(理工学域), 講師 (90547655)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 視覚障害者 / 弱視 / i移動支援 / 発光ブロック / 視認性 / 官能検査 / 官能評価 / 誘導支援 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は視覚障害者の誘導を目的とした光の刺激は抑えつつ覚醒させる点滅周期と点滅パターンを探ることを目的としている。光の刺激の強さは官能評価で評価し、覚醒は脳波で測定する。刺激の強さと覚醒度から人間の感覚特性である順応が見られる点滅周期と点滅パターンによる覚醒との最適な点滅を探索し、得られた点滅パターンを視覚障害者と健常者による視認性の検証実験で検証を行なう。フェーズインフェーズアウト点滅が周囲に配慮しながらも歩行者に有効性であることを検証する。
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研究実績の概要 |
著者らは開発した発光ブロックの有効性の検証実験を行ってきたが,常灯で使用してきた.また,実際の道路環境を想定して周囲の店舗などの照明が背景にある場合の発光ブロックの視認性についても検証実験を行った.周囲の店舗などの光源に見立てて白の発光板の高さを変えて視認性を検証した結果,後方の発光板の影響を受けることが分かった.また,実際の横断歩道口に敷設した発光ブロックの検証実験[6]を行ったが,実際の横断歩道では走行する車のヘッドライトや周囲の光源と発光ブロックが存在し,発光ブロックを選択的に識別するために,著者らは点滅光による刺激を抑えながらも視認性を向上させる点滅光の開発を行った.人間の刺激に対して覚醒と順応に注目して,点滅の周期や発光時間の違いよっては刺激が抑えられていると感じながらも覚醒するパターンが存在することを先行研究で確認している. そこで今回の実験では各種パターンの点滅を用意する. 周期4~7秒の各種点滅パターンを行った. 点滅のパラメーターは点滅周期・消灯時間・点滅方法の3つである. パターンは二つに区分され,1つはONOFFする点滅方法であり単純点滅と呼ぶ.もう1つは徐々に光が暗くなり完全に光が消えると徐々に明るくなる点滅方法でありフェードインフェードアウト点滅と呼ぶ. 点滅のパラメーターは点滅周期・消灯時間・点滅方法の3つになる.この各種点滅パターンを常灯の発光と比較してその効果を検証する,被験者は,常灯と比べた点滅光の刺激の強弱,不快感,視認性,を-3~+3の7段階で評価する.その結果,フェードインフェードアウト点滅が単純点滅に比べて視認性は確保しながらも刺激の強さや不快感を抑えることができることを検証する.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究では,官能評価では刺激が抑えられていると感じながらも脳波は覚醒の高い発光パターンを探索し,実証実験で検証を行う.点滅のオンとオフが繰り返す単純点滅と徐々に明るくなり徐々に暗くなるフェーズインフェーズアウト点滅の刺激の強さを官能評価で,覚醒度を脳波で計測することによって,刺激の順応と覚醒のトレードオフな関係から最適なパターンを探索する.得られた点滅パターンを発行ブロックの点滅に採用し,健常者と視覚障害者による発光ブロックの視認距離の実験を行うことで,歩行者への有効性を検証する.実験では,常灯する発光ブロック(単純点滅)とフェーズインフェーズアウト点滅する発光ブロックを遠方から徐々に近づいて,発光ブロックの光が視認できた視認距離の比較を行い,視認性に及ぼす点滅刺激の関係を明らかにする.この視認距離の実験から,フェーズインフェーズアウト点滅が視認距離は確保しながらも刺激を抑えることができる点滅の有効性を検証する.最適な点滅パターンで点滅させた発光ブロックを横断歩道口に敷設することによって,歩行者や周囲の環境に配慮した点滅でありながら視覚障害者の誘導に効果的な支援を行うことが期待できる.今回の実験では,官能評価について述べる被験者には常灯の光を基準として,それぞれの点滅パターンの刺激の強さ,視認性と不快感について評価してもらう.被験者は7段階の心理強度で回答する.当初の環境の照度は20lxのみで実験を行っていたが,令和4年度は 0lxと 100lx を加えて3種類(20lx, 50lx, 100lx)の照度の違う実験環境下で官能評価を行った.照度の違いによる視認性や刺激の強さ,不快感の関係を検証することができた.
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今後の研究の推進方策 |
現在,3種類(20lx, 50lx, 100lx)の照度の官能実験を行ったが,被験者数を増やして有意差を高める必要があり,追実験を予定している.また,この研究成果はAHFE2023国際会議の発表予定である.
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