研究課題/領域番号 |
20K12739
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90150:医療福祉工学関連
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研究機関 | 国立障害者リハビリテーションセンター(研究所) |
研究代表者 |
石渡 利奈 国立障害者リハビリテーションセンター(研究所), 研究所 福祉機器開発部, 研究室長 (10415359)
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研究分担者 |
硯川 潤 国立障害者リハビリテーションセンター(研究所), 研究所 福祉機器開発部, 研究室長 (50571577)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 3Dプリンタ / 積層造形 / 試験評価 / 義肢装具 / 未来予測 / 義手 / 3Dプリンタ / 3D積層造形技術 / ロードマップ / 治具 |
研究開始時の研究の概要 |
義肢装具製作の分野では、3D計測や3D積層造形の実用化により、個別適合設計の発展につながるパラダイムシフトが起きつつある。本パラダイムシフトにおいては、評価の参考となる規格や基準が未整備であり、素材や加工法の義肢装具応用の予測、安全性・耐久性の向上とその評価が課題となっている。 本研究では、今後10年の間に主流となることが予測される3D積層造形義肢装具の試験評価 基盤を確立することを目的とし、①3D積層造形義肢装具の開発・実用化ロードマップを開発し、本ロードマップに基づいて、②義肢装具の種類毎に体系化した試験評価法の開発、③3D積層造形義肢装具に対応した試験評価システムの構築を行う。
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研究実績の概要 |
【②3D積層造形義肢装具の普及に向けた試験評価法の開発】 “Cyborg Beast”の後継機種 “Phoenix”について、FDM(熱溶解積層方式)、および光造形方式のサンプル(FDM4つ、光造形2つ)を作成し、③で構築した試験評価システムを用いて、潤滑の有無の影響などを比較するための耐久性試験(波形確認/10万回繰り返し試験)を実施した。FDMについて、潤滑なしの場合は、9万回弱でゴムが切れて終了、潤滑ありの場合は、10万回を達成した。潤滑なしの場合の最大荷重は約18N、潤滑ありの場合の最大荷重は約6Nであり、潤滑ありの条件で、荷重値が大幅に少なくなることが確認された。光造形方式については、義手自体の重量が増えることから、指の背屈を促す輪ゴムの力が従来の1つでは弱く、2つ必要になることが明らかになった。以上の試験結果より、③のシステムを用いて耐久性試験を実施することにより、潤滑の有無の影響などを定量的に評価できることが示された。 【③3D積層造形義肢装具の試験評価システムの構築】 耐久性試験では、従来、目視等による劣化の確認を行ってきたが、より定量的な評価の実施を可能にすることを目的とし、角度変位と荷重を計測できる繰り返し試験システムを作成した。繰り返し試験は、モーターに繋がったリンク機構を義手に取り付け、屈伸動作を行わせることで実施した。昨年度は、リンク機構を掌部の手前に取り付けたが、掌屈角度が大きい時に指とリンク機構が干渉することが明らかになったため、リンク機構をMCP関節の側方に取り付ける改良を行った。本改良後は、干渉等の課題は生じず、問題なく試験実施できたため、リンク機構を側方に取り付けた試験評価システムを最終的な提案システムとした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
角度変位と荷重のデータが取得可能な3D積層造形義手の試験評価システムを構築し、実際のサンプルを用いた耐久性試験を実施するなど、十分な成果が得られている。
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今後の研究の推進方策 |
取得した試験データを先行研究と照らし合わせて分析し、成果発表を行う。
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