研究課題/領域番号 |
20K12740
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90150:医療福祉工学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
高田 純子 東北大学, 未来科学技術共同研究センター, 助手 (50858248)
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研究分担者 |
目黒 謙一 東北大学, 未来科学技術共同研究センター, 教授 (90239559)
熊居 慶一 東北大学, 未来科学技術共同研究センター, 助手 (30858246)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 高齢者 / 家電製品 / 遂行機能 / 軽度認知障害 / 認知症 |
研究開始時の研究の概要 |
高齢者では早期から家電製品の操作が不得手になることが判っているが、家電製品の使用状況、操作可否や操作獲得(学習)に関する実態は明らかではなく、エビデンスも不十分である。 本研究の目的は、高齢者に使い易いまたは使い難い家電製品とはどの様なものでその要因は何か、家電製品の操作実態と認知機能との関連を明らかにすることである。 健常・軽度認知障害・認知症高齢者を対象として複数の家電製品の実物品操作実験を行い、操作能力と脳機能との関連を分析し、個人要因(人)と環境要因(家電製品)の関連と双方の問題点を類型化し、産業者側の製品開発や購入者側の製品選択の基準に応用可能な科学的エビデンスを得ることを目指す。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、高齢者に使い易いまたは使い難い家電製品とはどのようなものか、家電製品の操作実態と認知機能との関連を明らかにすることである。本研究は、新型コロナウイルスの影響により地域在住高齢者を対象とする説明会を開催することができず、当初の計画通りに対象者をリクルートすることができなかった。その為被検者を少数に絞り、過去の調査結果と今回の調査結果との比較分析に重点をおいた。 代表者らは平成26年より宮城県涌谷町において実施した認知症有病率調査に於いて同時に家電製品の実物品操作課題を施行した。その結果、電磁調理器(以下、IH)の操作が遂行機能と関連し、新しくIH調理器を導入するのに相応しい時期はCDR0(健常)かつ火気事故(火の消し忘れや後始末の不備)が起こる前、かつ遂行機能が保たれていることが望ましいことが示唆された。しかし学習効果については明らかにならず課題が残った。 今年度の研究成果として、CDR0.5(軽度認知障害)の状態でも家電製品の操作に学習効果があるとみられ新式の家電製品を操作できる事例があった。「事例1」は一年前と比較し、神経心理検査で全般的認知機能と遂行機能が低下していても、実物品操作課題は改善していた。「事例2」は一年前と比較し、神経心理検査で全般的認知機能が低下しても、遂行機能は改善しかつ実物品操作課題も改善していた。「事例3」は、一年前と比較し、神経心理検査で全般的認知機能が改善、遂行機能ではTMT-Aが改善したが符号問題で低下、実物品操作課題は低下(中断)していた。 「事例1」「事例2」では学習効果の可能性があるとみられた。 在宅高齢者の家電製品の操作と脳機能との関連については先行研究も少なく学習効果についての研究はみられない。今後増々進む高齢化社会においては高齢者に使い易い家電製品開発のため更なる研究の進展が望まれる。
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